わが社の定期健康診断―企業変革支援プログラム ステップ1  その3

I 経営者の責任 (2)社員との信頼関係の構築

「I.経営者の責任(経営理念の成文化とリーダーシッププロセス)」の2項目目は、「(2)社員との信頼関係の構築」です。

 「労使見解」には、「経営者は『中小企業だから、なにも言わなくても労働者や労働組合はわかってくれるはずだ』という期待や甘えは捨て去らねばなりません。これでは自らの責任を果たしているとはいえないのです」とし、「労使のコミュニケーションをよくすることは経営者の責任」としています。

 これらの内容を反映し、I.(2)は「経営を維持・発展させていくためには、社員の労働環境の整備とともに、経営者は社員がパートナーであることを自覚し、経営情報を社内外に公開し、経営の意思決定において社員の声を反映させていく仕組みを持つ必要があります。あなたの会社にはそのような仕組みはありますか」と問いかけています。

 「成熟度レベル」は、「0 社員の意見を経営に反映する必要性を認識していない(反映していない)」から「5 全社的な仕組みとともに、経営者と社員との信頼関係が構築され、対外的に評価されている」の6段階。

 「3」が、全社的仕組みができている状態をさしています。その「状態の説明」では、「経営者が社員との信頼関係を大事にし、社員の意見を経営に反映する仕組みを持っており、社員とのコミュニケーションや情報共有も、全社的に、日常的に行われる。経営者と社員との信頼関係の構築は主観的にはできているが、まだ、客観的な尺度では検証されてはいない。全社員の経営参画への意識も、高まり始めている」となっています。

 具体的には、朝礼や社内会議、個別社員との面談などによるコミュニケーションや、日常的に社内の重要な情報が共有できる仕組みなどがある状況を指しています。

「中小企業家しんぶん」 2009年 5月 15日号より