「自信をもって、本気でお誘い」連続80カ月会員が増え続ける阪神支部【兵庫】

企業発展と地域振興へ、妥協のない学びあいと実践

 2001年3月から80カ月を超える今まで、連続して毎月必ず新会員を迎え続けている支部があります。兵庫同友会阪神支部です。この支部の取り組みは、7月9日~10日の中同協第41回定時総会第6分科会で報告されます。今回は、その報告を先取りして紹介します。

阪神大震災後の全国総会きっかけ100名達成

 阪神支部は、兵庫県の東端の尼崎市、西宮市、伊丹市、川西市、宝塚市の5市を中心としたエリアをカバーしていますが、支部設立以来なかなか100名支部会員を達成できずにいました。1年間の入会者数が1ケタだったことも珍しくなく、そのうちに役員会議でも「無理に増やす必要はない、会員は自然と増えるもの」という雰囲気になっていました。

 阪神淡路大震災後の2000年7月に、兵庫同友会が中同協定時総会の設営担当となったことをきっかけに、1年間で32名の新会員を迎えて支部会員数は106名となりました。

支部例会は学びあいの場

 この当面の目標であった100名支部会員を実現した時、運営委員会で3カ月にわたって「100名会員を達成してこれからどうする?」というテーマで話し合いを行いました。

 その結論は、「支部例会は同友会らしい学びあいの場として徹底する。経営指針をはじめとして会員企業の経営体質強化を目指す学びの場をつくる。地域を担う中小企業家の拠点として確立する」ことでした。

会員拡大方針は

 その後、2004年の役員研修会で支部方針を検討。それまでの会員拡大方針は会員数目標を中心に漠然ととらえられていましたが、「自分自身が同友会での学びあいと実践を通じてのよい会社づくり、そして、さらなる企業発展や企業連携、地域振興を目指して同友会に参加し続ける。そこに新しい仲間に参加してもらうことが会員拡大だ」と気づきました。

 このことを、(1)妥協のない学びあいの場として質量ともに充実させる「支部活動」、(2)学びあいと交流の実践・成果としての「(自社の)企業発展」、(3)そういった中小企業の参画が組織の力と信頼関係となる「支部活性化」の3点にまとめて、これらを実現するという決意が「自信をもって、本気でお誘い」という会員拡大スローガンとなりました。

貴重な辞書の1ページを白紙のままにはしない

 80カ月を超える新会員連続入会期間中の新会員数は、300名を超えます。支部例会だけでなく役員会議も「妥協のない学びあいの場」とするだけでなく、経営指針の成文化と全社的実践を「よい会社づくりの方程式」として、役員がリーダーとなり支部全体で取り組み「妥協せずに実践」を追求してきました。

 これは、議案書や同友会ビジョンをベースにして、あたり前のことがあたり前にできるまで、基本に忠実にやり続けることの繰り返しでした。

 最近では、同友会で「会員は辞書の1ページ」と言われているなら、新会員の入会で増えた貴重な辞書の1ページを「白紙のままのページ」にしてはいけないと、新会員ブロック会を毎月開催。同時に、会員訪問活動などを通じて、支部会員全員が少なくとも何らかのカタチで1カ月に1回は同友会に参加(行事に参加するか、会員同士の交流の機会をもつ)することに取り組んでいます。

「中小企業家しんぶん」 2009年 6月 15日号より