「大田堯先生を囲む」共育懇談会200回記念の集い【千葉】

「生命(いのち)のきずな」を問いかけて

 17年前、千葉同友会の会員が教育学者の大田堯氏(東大名誉教授)を囲んで始まった「共育懇談会」。毎月1回、10数名の中小企業経営者らが埼玉県の大田氏の自宅まで通い続け、6月15日、ついに200回を迎えました。その前日、200回を記念する「共に育つ社会的環境を考える集い」(千葉同友会主催)が千葉・船橋市内で開かれ、長野同友会からの参加者も含め約70名が参加しました。

 今年91歳の大田氏は、1兵卒としての戦争体験を語りながら、「戦争とは、国家の意思と偶然に自分の生命体が支配され、他者とかかわりながら多様な選択肢の中から自ら選んで生きていくという人間らしさがない状況。いまも、欲望肥大の状況の中で、他者とのかかわりがなくなっている。他者とのかかわりがなければ、自分も見えない孤独状態に陥る。その苦しみが秋葉原事件の根っこにある。新しい人と人のかかわり方をいかに作っていけるかが課題」と話しました。

 その後、若者にどう生きるかを問いかける大田氏の著作『生命(いのち)のきずな』(偕成社)の編集者・岩崎清吾氏、大田氏の映画を製作中の森康行監督と大田氏のてい談が、17年前から「共育懇談会」に通い続ける金本光弘氏(サンヨーホーム(株)会長)の司会で行われました。

「中小企業家しんぶん」 2009年 6月 25日号より