全国総会・第5分科会に参加して~滋賀同友会専務理事 廣瀬 元行

会員増強とは同友会運動そのもの

滋賀同友会では今年、第31回定時総会で「1200名の量・質ともに強じんな滋賀同友会をめざす5ヶ年計画」をスタートしました。ここであらためて全国の会員増強の経験から学ぶことが必要だと思い、今回の全国総会では、第5分科会「夢は大きく育てよう、会員増強の実践交流~役員と事務局の意思統一こそ組織前進のかなめ~」に参加しました。

分科会では、村松幸雄・岩手同友会代表理事(信幸プロテック(株)代表取締役)と、鴫原育子・茨城同友会代表理事(インターソシオシステム(株)代表取締役)のお2人の報告をもとに学びあいました。

元気な岩手へ組織率10%をめざす

村松さんは2003年から岩手同友会の代表理事に就き、2004年度からは菊田哲事務局長とともに「過去は変えられないが、未来には風呂敷を広げられる」との思いを共有し、会勢157名の時に2015年1350名(岩手県法人企業の10パーセント)会勢を掲げます。

この目標を担保するために、四国4県と同じ面積の岩手県で、事務局長は真冬の峠やアイスバーンを走り抜け、支部づくり、委員会づくりに着手します。その情熱的な行動に共感し、役員が1人また1人と同友会運動に立ち上がりました。

2005年からは経営指針を創(つく)る会が始まり、同友会に入って本当に良かったという若手の経営者が伝道師となって、元気な岩手を創ろうと地域を走り回っています。

2008年には青年経営者全国交流会を成功させ、学校や行政も同友会に期待を寄せるようになりました。

会員と事務局が一体となり、疲弊する地域を私たちの手で何とかしよう、岩手の未来に責任を持って生きようという高い志と明確な到達目標と課題を持って切磋琢磨している姿に感動を覚えました。

ニコニコ顔で帰る会員の姿がいちばん

鴫原さんは2007年4月に代表理事に就きます。そして、全国総会で学び自ら委員長を務めて広げた経営指針づくりを会活動の中心に据え、若手の役員を引っ張り出し、全国の経験から学ぶ機会を増やしていくことで、総会議案を支部長と委員長が書き上げる自主的で自覚的な会風を育てました。そして、1995年以来、13年間会員100名台の茨城同友会は280名の組織へと発展します。

「その底力になったのが、尾形茂樹事務局長の存在です」と報告します。

会員が例会に参加してニコニコ顔で帰る姿が一番のやりがい。笑顔の素晴らしい人々に支えられ、笑顔が生まれる同友会活動と地域づくりに喜びを持ってチャレンジする事務局長。同友会運動の良きパートナーである雰囲気が伝わりました。

分科会での報告と討論を通じて学んだことは、会員増強はそれ自体独自の課題ではあるものの、結果として同友会運動の総合力の現れであることです。同友会運動の発展は、それを担う役員と事務局との一体感が担保するものであり、会勢を強固なものにすることこそ、企業の発展と地域を再生する唯一の道であること。すなわち、会員増強とは同友会運動そのものであるということへの確信です。

今一度、高い志=同友会理念を自らの生きる姿勢として照れることなく語り合い、日常の活動へ系統的に生かし、理念型経営を広め実現して行きたいとの意を強くしました。

「中小企業家しんぶん」 2009年 8月 5日号より