【地球環境問題交流会第2分科会報告概要】配送から設置まで引き受ける会社に~(株)福商運輸

福岡同友会地球環境委員会での取り組みより

 10月に神奈川で開かれた「中小企業地球環境問題交流会」第2分科会では、福岡同友会地球環境委員会の末竹哲委員長が、環境経営に取り組んできた会員企業の(株)福商運輸と(株)クリーン春日の事例を、同じく(株)鐘川製作所の鐘川喜久治社長が自社の取り組みを報告しました。その概要を紹介します。

 (株)福商運輸(内藤泰司社長)は、家電、家具、事務機器等の配送と設置工事等を営んでいます。

 常々、運送業として燃料の削減とCO2削減について考えていた内藤社長は、4年ほど前からエコアクション21取得に取り組みました。当初は、社員が見向きもしてくれないという状況が続きました。やっぱりトップが一生懸命やらないと社員はついてきません。

 取り組む上で、月1回の勉強会が6回くらいあり、それを社内で報告し、勉強会を開いたり、啓発をすることで、社員の意識が少しずつ変わっていきました。

 3年間でどれだけCO2排出量を削減するかという計画を立てて取り組んだところ、2008年度は2005年度と比べて12・7%削減できました。

 燃料削減の次に取り組んだのが、「環境の取り組みを通してわが社は何をしないといけないのか」ということでした。

 まず、非効率な配送や取引はやめることにしました。福岡を起点に鹿児島や宮崎に配送に行く場合、帰りは空荷で帰ってこなくてはいけない。時間もかかるし、売上に対し輸送量が少なく、非常に効率が悪い。そこで、そういった配送は取引をやめるか、もしくは現地協力会社に依頼するようにしました。非常に勇気のいる決断でした。

 確かにガソリンが減り、CO2も減ったが、売上も減ったというのでは意味がありません。

 同社では、「エコアクション21」につづいて「福岡県エコ事業所」にも取り組みました。さらに社員の家庭でも取り組んでもらおうと、福岡県エコファミリーにも参加しました。

 内藤社長は、「企業の社会的責任が問われる時代。営利目的だけでなく、永続的に社会に必要とされる企業を目指したい」といい、「私たち中小企業は、地についた経営を行い、自社の存在意義や理由を常に考え、財務的側面だけでなく、社会的・環境的側面にも取り組んでいかなければなりません。エコは、企業の経営戦略として捉えている」と話しています。

会社概要

設立 1992年年
資本金 1000万円
社員数 35名
業種 家電製品、家具、事務機器の配送・設置
所在地 福岡県大野城市川久保
TEL 092-919-3333
http://fukushou.net/

「中小企業家しんぶん」 2009年 11月 25日号より