御坊日高支部(和歌山)

地域づくりへの熱い思いを 豊かな歴史と農業・漁業の盛んな中紀地域を担う

 和歌山県中小企業家同友会は、3月16日、和歌山支部・紀南支部・海南有田支部・紀北支部に続く5番目の支部として御坊日高支部を設立しました。

支部設立に至まで 人の和の大切さを実感―仲間の輪を拡げ ―それぞれの役割をもって行動

 御坊日高支部は、和歌山県御坊市を中心に日高郡印南町から日高川町までの中紀地域を担い、会員30名で立ち上げました。

 60名が参加した設立記念例会には、大平芳伸・和歌山県日高振興局長、柏木征夫・御坊市長が臨席し、中紀地域における同友会の活躍に期待する言葉が寄せられました。

 御坊日高地域は、万葉の時代、聖武天皇の生母である宮子姫の生誕地で、当時の豪族の古墳群や史跡が多く残り、日高川町にある天台宗の寺院道成寺は西国33箇所第5番札所としても有名です。

 温暖な気候と気象条件に恵まれた農業(花・野菜)と漁業が盛んなところです。

 しかし、高速道路が田辺市まで延長整備されたことで国道42号線を通る観光客が減少したことや、火力発電所の第2期工事が中止されたことも地域の元気を無くす要因に上げられています。新支部は、こうした地域への危機感と愛情を持つ人たちによって設立されました。

 記念講演では、美浜町(御坊市)に住まいを持つ、日本初の農業専門コンサルタント会社・(株)農業総合研究所社長の及川智正氏が、「持続可能な農産業を実現し生活者を豊かにする」という自社理念を熱く語りました。

 及川氏は、農業は人々の生活を支える源であり、産業としての農業の発展をめざすこと、そのためには農業の構造改革・流通革命が大切であり、コンサルティング事業・農産物流通販売事業・農産物委託販売システム事業を実践していると報告しました。

 農業の発展に情熱を燃やし、事業の全国展開と講演活動で活躍する若き経営者の報告を聴き、経営への情熱の再確認や地域づくりへの熱い思いを確認しあった設立記念例会となりました。

 支部設立に至るまでは、リーダーの思いの強さと人の和の大切さを実感しました。呼びかけにこたえて入会した方が新たな仲間を誘い仲間の輪を広げ、設立準備会で役員がそれぞれの役割をもって行動したことなど、これまでの支部とは異なった強みを発揮した支部の設立です。また、当日会場において直接入会を申し込む方もあり、設立記念例会に参加した理事および他支部会員からも、この盛り上がりを和歌山同友会全体のものとしたいという声があがっていました。

「中小企業家しんぶん」 2010年 4月 5日号より