会員一人ひとりが会の主人公~172グループで1762回の会合(2009年度)【愛知】

愛知同友会小グループ活動

愛知小グループ活動

 年度末から4月にかけて、各同友会では積極的に会員を増やす取り組みが行われています。大分では年間純増200名で会員数を1・5倍の621名とし、山梨は300名会員となりました。また、愛知同友会は厳しい中でも増勢を続け、減らさない仕組みとして、基礎的組織である地区会のもとに20~30名で構成する小グループをつくり、会員間の顔の見える活動が行われています。その概要を紹介します。

 昨年度、愛知同友会(4月1日現在会員数3014名)では、基礎的組織である48地区のもとに、172の小グループ(1グループあたり会員数は 20~30名程度)が設けられ、このグループ会だけでも年間1762回の会合が開かれました。これ以外に経営指針など課題別の小グループもあり、すべて会員による自主的活動となっています。

 同友会としてその全容を把握したのは今回が初めて。グループ会の6割は会員の会社で行われ、この企業訪問が年間1000件を超えています。

 企業訪問では、参加者が社内や工場内の雰囲気も感じながら訪問先の会員の報告を聞くことで、報告者の経営課題が身近になり、自らの経営に照らして、課題解決へ向けた意見交換を深めることができます。

 1回あたりの参加者は10~15名。近隣の会員や入会時の推薦者などもいて、よく知り合った関係であるため、討論がはずみます。

会員の顔と会社が見える―3000名会勢を支える小グループ活動

 愛知同友会では、多くの地区で年度単位でグループを再編。地区例会をグループ持ち回りで担当するほか、グループの責任者は地区役員も兼ね、愛知同友会全体の動きや地区役員会の様子などをグループ会で伝え、新会員を温かく迎え、担当者を決めてフォローするなど、きめ細かい対応がなされています。

 この自主的な活動は、青年同友会(愛知同友会の青年部。地区会と同列の位置付けで現在11地区650名)の小グループ「室」活動や三河支部から広がったもので、2008年版『活動の手引き』(愛知同友会発行)には、「グループ会」活動にかかわる詳細が定義づけられています。

 事務局は、地区やグループ会の運営には関与せず、会員がすべて自主的に行っています。この要が役員育成と組織活動支援システム「あいどる」の活用です。

 地区役員は県単位で行っている「同友会役員研修大学」(全11回講座、2000年より毎年開催)を受講し、「会員の世話係としてだけでなく、人間力を身に付け、自社と同友会を不離一体として学ぶ場」として積極的にかかわっています。

 「あいどる」上では、地区役員がグループ編成を行い、地区例会等と同様にグループ会の案内、名簿、資料、報告作成を会員が分担。「あいどる」上に掲載し、情報を共有しています。「あいどる」の利用率は7割を超え、会員の自主運営に寄与しています。

 総会議案でも、「知りあい、学びあい、励ましあい」の地区活動の初心に帰り、小グループ活動は「会員の顔と会社が見える」活動として、積極的に評価されてきています。

「中小企業家しんぶん」 2010年 5月 15日号より