時代に対応した企業変革を

新連載【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】

 「経営指針を成文化して、やっているつもりでいたが、特に『付加価値を高める』部分がやれていないことがわかった」…昨年3月に発刊された「企業変革支援プログラムステップ1」は、全国で1万冊以上が普及され、実施した会員から多くの感想が寄せられています。

 本連載では、会員企業や各同友会の「企業変革支援プログラムステップ1」(以下、ステップ1)への取り組みを紹介しながら、全社一丸の企業づくりへ向け、企業変革をどのように進めていけるかを探ります。

 第1回目は、これらの導入として、1975年に中同協が発表した「中小企業における労使関係の見解」(以下、労使見解)や「21世紀型中小企業づくり」(1993年発表)の実践とのかかわりを紹介します。

変革し続けられる企業になるために

 「労使見解」は、経営者に「経営を維持し発展させる責任」を問いかけ、「21世紀型中小企業」は、「国民と地域社会からの信頼や期待に高い水準でこたえられる企業」を提唱しました。

 同友会では、これらの考え方を経営指針成文化運動に結び付けるとともに、支部例会やさまざまな活動に生かして経営者の自己変革と企業変革を促してきました。しかし、実際の企業経営で実践はどこまで進んでいるのか、尺度が明確になっていませんでした。

 「ステップ1」は、これらの文書にある経営者への要求項目を分析し、企業実践の進捗状況を確認でき、気づきを与えるものとなっています。

 中同協としては「企業の健康診断」として、今年11月末までに全国で5000社の会員が自社のデータをe.doyuに登録することを促進しています。

 各同友会では、「ステップ1」のカテゴリーを支部例会のテーマに取り入れて、年間を通して体系的に経営が学べるようにしたり、経営指針成文化の課程に取り入れて体系的に自社分析を行えるようにするなど、工夫しています。

 全国の連帯の力で、1人で悩み苦しむ経営者を減らすため、経営者が相談できる場づくりを広げ、企業の変革をすすめる活動が各地で展開されています。

「中小企業家しんぶん」 2010年 8月 15日号より