「学びと実践」の運動に活かして【京都】

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】8

 「企業変革支援プログラム・ステップ1」(以下「ステップ1」)の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は同友会編として、京都同友会の取り組みを紹介します。

 京都同友会では2006年4月「学びと実践」推進本部を理事会に設け、改めて“学んで実践すること”を会の真ん中に据え直しました。

 また、その中心となる取り組みとして、「労使見解」と『経営指針作成の手引き』に基づく経営指針成文化運動を進める「人を生かす経営」実践道場をスタートし、5年目を迎えています。

 「5年前と違い道場修了生が増えてきた今は、支部活動の内容が変わってきている」とは、その振り返りの中で理事から発せられた言葉です。

 道場修了生が支部例会の報告者を務める機会が除々に増えてきました。また京都全研の準備過程では“毎月例会に取り組もう”との理事会提起もされ、支部例会が定例化し、定着してきました。「ステップ1」にあるカテゴリーや小項目を例会テーマやグループ討論テーマに掲げ、「ステップ1」に学びながら何を深め、学ぶのか意識した例会が開かれています。

 京都市内の山科支部では、2010年2月から「ステップ1」に沿った例会を実施しています。大項目に基づき報告者を選定し、項目解説の後に経営体験報告をします。グループ討論では小項目の成熟度レベルをチェックしながら自社の状況を出し合い、どうすればレベルアップするのかに論を進めていきます。

 11月の例会では「経営理念を実践する過程」に基づき体験報告し、グループ討論では「理念を実践するためにどのような戦略をもっていますか?」について議論を深めました。

 例会参加者からは、「報告を漠然と聞くのではなく、自社のレベルがどこにあるのかを自覚して意識しながら学ぶことができる」と感想が寄せられました。

 また道場でも2008年第6期より、「自己姿勢」とは何か、「経営姿勢の確立」とは何かを学び取る講座に「ステップ1」を位置づけ、自己診断により、自己(自社)の位置を知ることに役立てています。

 京都同友会の取り組みはまだ組織的な活用にならず、「使い方」の一部に留まっているのが現状です。学びと実践の同友会運動の定着と、自立的で質の高い企業づくりを両輪とした取り組みの中でどう活用するのかの模索段階です。

「中小企業家しんぶん」 2010年 12月 15日号より