【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】6
愛知同友会の「不離一体シート」は、同友会での学びの実践を振り返るための検証ツールとして作成されました。
シートは「会内役職」「労使見解に基づく三位一体の自立型企業づくり」「気付き、学び(エポックメイキング・変遷の要)」「会社の変化」を記入していくことで、年度ごとに、同友会での学びが自社でどう実践されたかを細かく振り返ることを狙っています。
現在、愛知同友会全体で、役員が意識的に不離一体シートを作成し、同友会での学びを振り返るように取り組んでいます。
役員からは、「不離一体シートを作成したことにより、同友会での学びが自社にいかに生かされているかを振り返ることができた」との声が出されるなど、ともすればおざなりになりがちな「同友会と企業経営」の一体感を改めて感じるきっかけとなっています。
また、地区例会や、グループ会などでもこの不離一体シートが活用されています。報告時に提示することで、報告者の学びの背景、実践経過など、報告だけでは伝わりづらい部分もフォローできるとともに、時系列で同友会の学びを知ることができ、より経営体験報告に深みを加えることができるようになってきています。
自社を見つめ直す西尾張支部の取り組み
西尾張支部役員会では、「学べる支部役員会」をテーマに自社課題シート、企業変革支援プログラム・ステップ1(以下ステップ1)、不離一体シートを基に、各社の課題克服体験などを交流し合うことで、学びを深めています。
不離一体シートを作成するだけでなく、「自社課題シート」を使うことで、自社課題を整理、あるいは、気づいていなかった新たな課題を得ることができます。さらにステップ1も活用することで、それぞれの課題に対する具体的数値が割り出され、課題を総合的に把握することができます。
そして、不離一体シートで過去の学びと実践経過をまとめることにより、現在の自社の課題と、過去からの自社の学びの実践を基に「『未来へ何を学んでいかなければならないか』という新たな目標設定ができるようになった」との声が役員からも聞かれています。
「中小企業家しんぶん」 2011年 2月 15日号より