【経済データを読む】医師不足

 今後の地域を分析するにあたって、また地域で生きていく上で、高齢化問題とともに医師不足にも注目が必要です。

 実際に地域にどれだけお医者さんがいるのでしょうか。WHO(世界保健機関)の発表(2006年)によると、日本の医師の総数は25万1889人(内科医)で、WHOに加盟している192の国と地域のなかで6位です。しかし人口1000人当たりの医師数は1.98人で、同63位という順位にあたります。

 さらに産婦人科医や小児科医の不足が言われていますが、患者当たりの医師数が現在の半分以下になる科目がいくつもでてくると指摘されています。

 OECD(経済協力開発機構)が2007年に発表したデータによると、日本の人口1000人当たりの医師数は2.1人。OECD全体では平均 3.1人で、日本は加盟国30カ国中、なんと27位でした(OECD統計の医師数定義は、「公的及び民間施設で実際に診療を行っている医師の数」)。 OECD統計の上位を見ると、ギリシャ5.4人、ベルギー4.0人、オランダ3.9人、ノルウェー3.9人、スイス3.9人などとなっています。

 さらに、世界一の高齢化社会の日本は、相対的な患者数も世界一であり、高齢化がさらに進むと医師不足はさらに深刻になります。厚生労働省の公表データによると、日本の医師の人数は約28万人です(表)。このなかで、実際に医療に携わっている数は25万7000人。このデータでは市町村レベルまで医者の数がでているので、各地域で調べておいてほしいデータです。

表 都道府県別の医師数

「中小企業家しんぶん」 2011年 2月 25日号より