地域内に投資循環の仕組みを~条例制定に向けて地域活性化セミナー【群馬】

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 群馬同友会は、1月24日、「第4回地域活性化セミナー」を開催しました。

 本セミナーは、群馬同友会の政策委員会が議論を重ねてきた「群馬県中小企業振興基本条例」が県議会に議員提案されることを受け、条例制定の意義を関係各所に広く理解してもらうことを目的に企画。当日は同友会会員をはじめ、県議会議員、市町村議員、県職員、中央会関係者など、総勢約70名が一堂に会しました。

 冒頭、会員で県議会議員でもある山本龍氏は「地域で働く一人ひとりが強く結びつき、故郷を良くしていこうというこの学びの時間を大切にしていきましょう」と挨拶。また、同じく会員で県議会議員の中村紀雄氏からは、この運動の趣旨が説明されました。

 続いて京都大学教授の岡田知弘氏が「地域の主役としての中小企業の役割と地方自治体の施策~中小企業振興基本条例制定の意義~」と題して講演を行いました。

 岡田氏は、新たな段階に入ったグローバル化の中で、地域からモノを見ることの重要性を指摘。「グローバル時代だからこそ、足元から経済を回復させていく地域づくりが求められている。その重要な役割を担うのは、地域に密着し、事業所の99%を占める中小企業」と述べ、地域活性化のために、中小企業を中心とした地域内での投資循環の仕組みづくりが大切であることを力説しました。

 また条例制定の意義について「首長や行政実務担当者が交代したとしても、自治体として組織的な地域づくりの取り組みが、法的裏付けのもとに展開できる」とし、すでに制定されている千葉や帯広などの事例を紹介しました。

 参加者からは「非常にわかりやすいお話で、この運動の意義がようやく理解できた」などの感想が聞かれ、運動の進展に拍車をかける良い機会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 2月 25日号より