企業再生、地域再生に踏み出そう~大震災の難局乗り切る企業づくりを【山形同友会が定時総会】

写真

 4月15日、山形同友会の第27回定時総会が開かれ、県内各支部から会員、社員、ゲスト150名が参加しました。来賓として、山形県吉村知事、山形市長代理・武田部長、山形県企業振興公社・斎藤総務部長、山形大学・結城学長、日本銀行山形事務所・植林所長はじめ、山形銀行など地元金融機関からも多数の来賓が臨席し、吉村知事と武田部長が挨拶しました。

厳しい時期だからこそ情熱持ってチャレンジを

 総会では、はじめに東日本大震災で亡くなられた方に黙祷を捧げたあと、松田代表理事が「被災地の復興の取り組みを聞き、山形で悩んでいるのが恥ずかしくなります。戦略は無限。停滞していてはだめです。前に外に上に進みましょう」と挨拶しました。

 第1部総会では、「変革と創造 自社の強みを活かした仕事づくり」のスローガンのもと、東日本大震災の難局を全社一丸となって困難を乗り切る企業づくり、地域再生、地域経済の担い手をめざす山形同友会を描く「中期ビジョン」づくりなど、6つの重点課題と運動方針を決定。その先頭に立つ27名の役員を選出しました。

 第2部記念講演では、(株)イドム社長・小出宗昭氏が、「気づけ! 潜在価値 挑め! 新しい価値」と題して講演。中小企業の勝ち残り戦略として、多くの実践事例をもとに「自社の強みを活かす」「ターゲットを絞る」「コラボレーション(連携)」の3つのポイントを指摘。さらに、「もっと成功事例から学びなさい」「結果を出している特長として、他社との差別化・情熱と継続・行動力がある。震災後の厳しい時期だからこそ、情熱を持ってチャレンジし、中小企業が経済再生の活力になろう」と激励しました。

 その後、「震災後に私たちの挑戦できることは」のテーマでグループ討論が行われ、座長の菅原社長が「自社の強みを考え、同友会の中でコラボしていこう。東北の復興を山形からやっていこう。時間は待ってくれない、すぐ行動しよう」とまとめました。

 最後に、天口税理士を講師に、緊急経営対策セミナー(第2弾)を開催。考え方の基本として、既存の顧客への誠意ある対応が重要とし、資金繰りでは、国、県、市で出している各種制度を説明しました。

1人で悩まず、「元気か」と声を掛け合おう

 山形同友会では、大震災の影響で3月中の例会等をすべて中止。実質、9日間という中で総会の準備が行われました。1週間前には、「1000年に1 度の危機を乗り越えるために、1人でも多くの方の知恵を貸してください。1人で悩まずに、まずはお互いの現状を語り合いましょう。顔を見せあい『元気か?』と声を掛け合いましょう。他県の同友会とも連携を取り、私たちの経済活動を滞らせることのない状況を急いで作りましょう。みなさまの元気なお顔を拝見できることを楽しみにお待ちしています」と全会員に参加を呼びかけました。

 当日は参加目標を達成し、参加した会員からは、「しばらく続いたモヤモヤした気持ちがはれました」「小さなイノベーションから一歩踏み出そう」「売上減少など不安はあるが、自社の雇用を守り、東日本が元気になるようチャレンジします」「機会を逃がさず、今だからできるコラボレーションを取り組み新しい価値を生み出しましょう」など、たくさんの元気がわき出る感想が寄せられました。

 「企業再生、地域再生に一歩踏み出そう」。2011年度がスタートしました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 5月 5日号より