戦略見直しに企業変革支援プログラム活用―青年部会が研修会で社員とともに診断【新潟】

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】15

 企業変革支援プログラム・ステップ1(以下「ステップ1」)の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は新潟同友会青年部会での活用の取り組みを紹介します。

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 新潟同友会では、「ステップ1」を経営指針を創(つく)る会や青年部会、支部例会などで活用しています。ここでは青年部会が「ステップ1」を活用してセミナーを開催した取り組みを紹介します。

 昨年12月、第13期青年部研修会で2回コースの「ステップ1」を活用して戦略の見直しを図るセミナーを開催しました。1回目は「ステップ1」の内容を説明した後、セルフチェックしました。その後、グループに分かれて成熟度レベルについて討論。メンバーの中で成熟度レベルが3以上つけた項目について、「その中身のお互いの良いところを積極的に真似しましょう」と討論・交流をしました。

 成熟度レベル3以上をつけるには、会社としてのそれなりの理由があります。日々の経営や仕事の中で仕組みを体系化しているところ、どうやってそれを実践しているのかなど意見が交わされました。また、会社の企業変革とともに、自己の性格分析なども併用しながら、コミュニケーションのあり方など認識し、交流を深めました。

 セミナー2回目に向けての宿題は、幹部全員もしくは社員全員に「ステップ1」をチェックしてもらうこと。会社にとってもいい機会ということで、セミナーに参加のみなさんが積極的に取り組みました。

 ここでのポイントは、社員に診断を依頼するとき、「会社の良い点を見つけてもらえるよう、成熟度レベルは優しく診断してもらうようお願いする」ようにしたことです。社員にとって初めてみる人がほとんどの「ステップ1」は、なかなか難しい場合も多いので、悩んだ場合はできるだけ優しくチェックするようにお願いして診断してもらうようにしました。

 なぜチェックを優しくつけてもらうようにしたかというと、第1に、社員は会社の良い点や強みを見るようにして診断してもらうこと、第2に、診断項目の成熟度レベルが高い項目を見つけ、それを積極的に戦略構築に活(い)かしていこうというのが理由でした。しかし結果はというと、社員に優しくつけるようにお願いしても、なぜか経営者にとっては診断結果が厳しく感じるものとなりました。

 その反省と気付きをもとに2回目のセミナーを実施。お互いの社内での診断結果を持ち寄ってグループ討論で学び合いました。このグループ討論ではワールドカフェという手法を使って、全員が全員と意見交換ができるようにメンバーを交代しながらお互いに良い点を学び合いました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 5月 15日号より