【経済データを読む】経済的不安と少子化

 6月29日に2010年の国勢調査速報が発表されました。それによると、65歳以上人口の総人口に占める割合は23.1%と、2005年に続いて世界最高の高齢化国となっています。都道府県別には、最高が秋田の30.2%、島根29.2%、山形28.9%の順となっています。平均年齢は44.9歳で、最高が秋田の49.5歳、島根48.4歳、山形48.3歳で、東北6県は全て平均以上となっています。一方で15歳未満人口の割合は13.2%と、世界最低を更新して若者が非常に少ない国になっています。

 労働力人口は5年で300万人減少して6240万人。そして未婚率は30~34歳男性が46.5%、女性は33.3%に急上昇。20年で20%上昇し、生涯未婚率は男性19.4%、女性9.8%になったとしています。

 6月14日の厚生労働省の発表では、生活保護受給者が3月末で202万2333人と戦後混乱期の1952年度以来59年ぶりに200万人を突破(前年から15万6000人増)。1951年204万6646人、1952年204万2550人に次ぎ3番目の多さと戦後すぐの時期と同じ状態です。

 さらに6月17日発表の2011年「子ども・子育て白書」では、経済的理由から結婚・出産に踏み出せずに少子化につながっている面があると指摘しています。20代と30代の男性のうち既婚者の割合が、年収300万円以上25~40%、300万円未満では8~10%。未婚のうち将来結婚したい男性が83%、女性が90%と多数なのに経済的に不安のため結婚できないとしています。このことは、収入が一定以上ないと結婚できない結果であり、初婚年齢の上昇の結果が若年人口の減少を引き起こす原因ともなることがうかがわれるデータです(表)。

表 初婚年齢と総人口比若年人口の推移

「中小企業家しんぶん」 2011年 8月 25日号より