生命の特徴から人が育つ本質学ぶ【中同協社員教育委員会に70名が参加】

大田堯氏描いた映画「かすかな光へ」上映

 8月22日午後から23日正午までの日程で、2011年度第1回中同協社員教育委員会が東京で開催され、26同友会と中同協から70名が参加しました。

 1日目は、7月に完成した教育研究者・大田堯氏を描いた映画「かすかな光へ」の上映に続き大田氏本人による講演が行われました。

 大田氏は原発問題に触れて、「根本にはモノとカネが人間を支配している問題がある」と指摘、それを克服する取り組みは「巨人に蟷螂(かまきり)が立ち向かうようなものですが、私たち一人ひとりが『かすかな光』として難局に立ち向かわなければなりません」と映画の意図を説明しました。その上で社員教育について話を進めた大田氏は、「教育とは上から教え諭すものではありません」と強調。生命の基本的な特徴である「違うこと」、「自ら変わること」、「関わること」を前提として行われるべきと力説しました。参加者から「本質をついたお話に感動しました」と感想が聞かれました。

 2日目は、田中傳右衛門氏(北海道同友会副代表理事)と前西佳信氏(大阪同友会大学求人部長)が「自社と同友会大学~社員とともに学んで」と題して報告しました。田中氏は同友会大学に参加した社員の変化を紹介し、「社員教育は経営者の都合ではなく社員本人の幸せに貢献する」という位置付けが最も重要と指摘しました。前西氏は学ぶことの意義に触れ、「人間らしい問題意識をもつこと、人間としての知恵を深めることにつながる」と指摘し、同友会大学が貴重な学びの場になっていることを報告しました。

 2日間のまとめで本郷利武・中同協社員教育委員長は、原発問題について「生命に関わる重要な問題だからこそ社内で自由に議論できるように努力している。ぜひ同友会内でもオープンに議論していただきたい」と呼びかけました。

「中小企業家しんぶん」 2011年 9月 5日号より