【問題提起】学び、本質を伝え、仲間を増やす広報・情報化とは~中同協副会長・情報化推進本部長 中村高明氏

 広報情報化というのは組織力を高めるため、最強の組織を作るための重要な戦略の1つです。組織問題と増強運動が基本にあり、連携や絆を築いていくためのものです。

 まずは、会員外の人に知ってもらうことが必要です。同友会理念と運動を行政、マスコミ、大学、金融機関などに発信し、懇談会を設け、会員外の方からの情報を収集することが大事です。

 また、ホームページを見て入会される方が増えていますので、SEO対策(検索エンジンで上位表示されるための対策)が必要ですし、分かりやすく作る必要があります。広報情報化ツールを駆使して情報創造を行い、同友会の存在を知っていただき、絆を深めていくことが必要です。

 さて今後、少子高齢化・人口減少・電力問題・円高による空洞化によって、地域経済はさらに疲弊していきます。したがって、私たちは中小企業憲章を生かし、中小企業振興条例の制定を働きかけ、行政と一体となって新しい仕事づくり・地域づくりに取り組まなければなりません。そのためには、同友会が主張するなら聴かなければと認めてもらう団体になることです。条例を全国に制定しようと主張している経済団体は、同友会をおいてほかにはないと思うのです。そのためにも同友会の団体としての成長が必要です。

 また、同友会のさまざまな活動の成果や教訓は、意外に会員に伝わっていません。組織の基礎組織である支部や地区、小グループなどにe.doyuを活用して、理事会決定事項のダイジェスト版などをつくって伝えていくことなども重要です。ホームページに例会内容などを報告することも考えなければなりません。そのほかに、専門委員会のネットワークを強化し、活動を伝えることも課題です。また、青年部を強化し将来の語り部育成をすること、ベテラン会員の交流の場を設け、語り部を復帰させることも重要だと思います。

 同友会役員の役割という点では、組織強化や戦略的発想、とくに広報情報化の重要性をまず代表理事が学ぶことが重要です。会内・会外の広報情報化を常に念頭において行動すること。そして、同友会の語り部として歩く「広報情報マン」を育成することです。

 広報情報化を同友会で学べば、即、自らの企業に適用でき、同友会運動と企業経営は不離一体であることを知らしめることが同友会役員の重要な役割なのです。

 事務局は、会員の良きパートナーであり、同友会運動の主体者です。同友会運動を社会に広める責任があり、そのために、コミュニケーション能力・文章力・情報創造力や情報を読み取る力を養うことが重要です。組織強化のために同友会運動の核づくり・役員づくりを行うことが事務局の役割です。

「中小企業家しんぶん」 2011年 11月 15日号より