企業変革支援プログラムは社員と経営者をつなぐツール―(株)プラチナ 代表取締役 内田雄之氏(島根)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】19

 企業変革支援プログラムステップ1(以下、ステップ1)の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は(株)プラチナ代表取締役の内田雄之氏(島根同友会)の実践を紹介します。

 自社の向上をはかりたいとの思いで、今年10月に行われた島根同友会の企業変革支援プログラム勉強会へ参加しました。勉強会では、各項目の問いに答えるかたちで会社の成熟度を診断。各項目の成熟度レベルと具体的な「状態の説明」によって、自社の現状を把握できました。そして1ランク上のレベルの状態を確認することで、目指す姿の把握につながりました。それより、各項目の1ランクレベルアップを目的とした、自社における具体的課題を設定し、実施しました。

 その中でも最も効果の高かったものに「自社をめぐる情報収集と分析」に対する取り組みがありました。そこでは、状態の向上のため「内部環境や外部環境の情報を収集できる仕組みづくり」を目指しました。具体的な実施内容は、社員が自社をとりまく内外の環境で、問題と感じる点を提案できるフォーマットの作成を行いました。そのフォーマットに記載してもらい、「問題点→改善策・処置方法(A)→改善計画(P)→実行(D)→評価(C)」について社員と話し合いながら、問題解決をする仕組みをつくりました。それによって、社員が会社の環境改善に目を向け自主的に取り組むようになるという成果を得ることができました。

 しかし成果はそれだけではなく、業績向上を目的とした意見や提案も出るようになってきました。その背景には社員と経営者が「問題点の改善」という同じ目的をもち、共に考え、解決・改善に向かったことで一体感が生まれたことや、経営者が社員の考えを理解し、社員が経営者の思いを感じることがお互いの信頼関係につながったことなどがあったと思います。自社にとって、このプログラムが社員と経営者をつなぐツールとなりました。

 ステップ1に取り組みはじめてから約2カ月ですが、レベルアップを目指し課題に取り組むことで、成果をあげることができ、良い会社に向かっていると実感しています。また、社員と共に問題解決に取り組むことの重要性に気づくとともに、今後の「会社づくり」には社員の協力が必須であることを感じました。

 今後の取り組みとしては、社員にもステップ1の診断に参加してもらい、意見交換を行い、経営者との認識の違いを明らかにし、共に課題をつくり取り組むことで、さらに一丸となって「良い会社づくり」を進めていきたいと思っています。

「中小企業家しんぶん」 2011年 12月 15日号より