【大阪同友会2011年訪中団レポート】もっと近くなる中国-踏み出そう!中小企業家の国際交流の第一歩

 大阪同友会日中経済交流研究会(会長:タカラ産業(株)・樋爪伸二氏)は2011年訪中団を派遣しました(10月15~20日)。今回は、蘇州の日系およびローカル企業訪問のほか、アジア最大の卸売市場の義烏(イーウー)と、大阪同友会と協定関係を結んでいる呉中区の歓迎式典に参加しました。参加者は中国進出20年以上のベテランから、初めてパスポートを取得した初心者まで総勢25名。各人が「もっと近くなる中国」を実感する大人の修学旅行でした。

 大阪同友会日中経済交流研究会は、1987年から活動を開始した業種・地域をこえた部会です。活動の柱は(1)例会の開催(2)訪中団の派遣(3)ビジネス情報を収集し、中国経済の現状や動向を学ぶことなどで、メンバーは55社(2010年11月現在)。訪中団は、1986年から行っており、途中中断もありましたが、継続的に中国視察を行っています。

 今回の視察の参加者の中から、3名のレポートの一部を紹介します。

 改めて驚いたのが人々のパワーです。最初に訪問したのは義烏というこれまで聞いたこともなかった都市です。上海などの大都市だけではなくこんな地方都市でも、人々の欲求はあふれていました。貧しい人は豊かさを求め、豊かな人もより豊かになろうと何か探しています。それは義烏の巨大なビルに居並ぶ何千もの卸売商店を見てわかりました。それだけの数の「中小企業家」がありとあらゆるモノを並べて世界のバイヤーと商談していました。

三光通商(株) 西村 隆氏

 中国で何を学んだのかを考えてみると自分の目で見て、感じ、触れてみてはもちろんですが、ご一緒した訪中団の皆様との会話の中からいろいろなことを教えていただいたと思います。新聞やニュースで報道されている中国を自分の眼で見たいという思いでしたが、じっとしていても何も始まらない。それよりも動くことの大事さ。時代の流れを読み取ること。実行力と判断力の大切さを学びました。

(株)ロッコー 西村佳津子氏

 義烏は物々交換からスタートして、いまではすべての店を見て回るのに1年半もかかるような大展示場に変貌を遂げている市場でした。輸入館では、日本製品がどの様な評価を受けているのか、店員に売れ行きを聞いたところ、「中国のお金持ちだけでなく一般市民も高くても日本製を選んで買いますよ」との返答。庶民に手の届く価格帯の製品ならチャンスがあると思いました。

アベル(株) 居相(いあい)浩介氏

「中小企業家しんぶん」 2011年 12月 15日号より