企業変革支援プログラムで「『同友会らしい』黒字企業」を~エイベックス(株)代表取締役会長 加藤明彦氏

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】24

 企業変革支援プログラムステップ1(以下ステップ1)の活用事例を紹介する本シリーズ。6月15日号に続いて、2012中日本ブロック代表者会議(5月9~10日、静岡)での報告から、エイベックス(株)・加藤明彦代表取締役会長(愛知)の実践を紹介します。

ステップ2での気づき

 昨年8月にステップ2のテスト版で自己診断してほしいとの依頼があり、取り組んでみました。ところが、半日かけたのですが、ほとんど書けませんでした。

 「これではいけない」と、1週間の夏休みを全部使ってやってみました。それでもできないところがありました。「同友会がなかったら、当社はつぶれている。同友会で助けられている」と思っているくらい、同友会を信じ切っている私でもやりきれませんでした。

 会社も発展しているし、同友会で学んだことを会社に相当取り入れたつもりでしたが、いかに表面的な同友会運動しかやっていなかったか、しみじみ感じました。みなさんもぜひ1度取り組んでみるといいのではないかと思います。

 ステップ1は、言葉の意味がわからないところもありました。ステップ2を見て、解釈が違っていたところもあったと気づきました。ステップ1とステップ2を並べて、例えばステップ1の「Ⅰ―(1)」をやったら、ステップ2の「Ⅰ―(1)」をやるというように、項目ごとに比べながらやってみると理解しやすいと思います。ステップ1とステップ2は角度が違うので、ひとつの課題について見方を変えて見ることができます。両方やってみることで理解が深まると感じています。

 また社員といっしょにやることに価値があると思います。当社でも6月から経営会議でステップ2を活用する予定です。

今は「非連続の時代」

 経営者には、今までの仕事が同じようにあると思っている人も少なくありません。しかし、今は非連続の時代です。世の中の要求が変わってきているから仕事がなくなってきているのです。景気が悪いから売上がダウンしているのではないのです。当社の仕事は自動車関連部品製造が中心ですが、技術開発が進み、今ある仕事も数年後は大きく減少することが見込まれています。新たな仕事づくりを進めるためにも、企業変革支援プログラムに本気で取り組まなければなりません。

 愛知同友会では、今年度のスローガンに「『同友会らしい』黒字企業をめざそう~『人を生かす経営』に取り組もう」を掲げています。経営を維持し発展させるためにも、このスローガンをめざし、固い意志を持って取り組んでいきたいと思います。

(終)

「中小企業家しんぶん」 2012年 7月 5日号より