経営指針を創る会の取り組み~関わり合いを強め、Facebookで情報交換【香川】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】19

 香川同友会の「経営指針を創(つく)る会」(以下創る会)は、現在の形態となって第8期目を迎えました。今期は前期までの反省に基づき、(1)「虎の穴」方式の復活、(2)成文化後の社内発表を義務化、(3)Facebookを利用した情報交換及び支援の3項目を新たに方針として追加し、現在第3講まで終了しています。

 (1)「虎の穴」方式とは、当初の創る会では、受講生の思いを掘り起こすために、基本のプログラムで消化不良になった場合などに、仕事が終わって「22時集合翌朝4時まで」といったような補講がグループによっては行われていました。つまり、妥協することなく徹底的に関わりを持つという考え方をもって運営していくという事です。

 (2)社内発表の義務化は、最終講で成文化した後、それに満足し、実践に繋(つな)がっていない場合があるということで、全6講のうち、5講で成文化し、最終講の6講までに社内発表することを義務化し、最終講で更なる実践へのアドバイスを行うというカリキュラムに変更しました。

 (3)Facebookの利用では、A:「経営指針を創る会」(対象:現在まで創る会に関わった方全員)、B:「第8期経営指針を創る会」(対象:第8期創る会参加者)、C:「第8期経営指針を創る会○○グループ」(対象:第8期創る会の各グループメンバー)に分けています。

 Aは現在参加していないメンバーに動きを発信することで、助言者として再度参加していただけるよう意識付けすることを目的としています。

 Bは第8期創る会内で、各グループの動きなどを発信し、グループ間の対応の均一化を図ります。

 Cは各グループ内で個別の悩みや質問などに答えたり、アドバイスできるようなコアなやり取りを目的としています。特にCに登録する方には、個別に同意書をとり情報保持に努めています。

 3講まで終了した時点で前期までと変わった点は、各グループが受講生への会社訪問を実施していること、消化不良な受講生に対しては、2回3回と徹底的に補講を行っていること。また、その会社訪問や補講の様子がFacebookにアップされ、情報交換が活発に行われるとともに、補講や会社訪問の実施がスピーディーに行われるようになりました。質問や悩みに対してもダイレクトに反応があり、コミュニケーションツールとして有益な役割を果たしています。

 ただ、全体的に、助言者に頼りすぎて、受講生が自分で答えを見つけようとせず、待っているような雰囲気が感じられるとの指摘があり、今後の課題となっています。

「中小企業家しんぶん」 2012年 7月 5日号より