Ⅰ 経営者の責任 (2)社員との信頼関係の構築

【社員とともにめざす企業像へ変革を~企業変革支援プログラム ステップ2】

 「企業変革支援プログラムステップ2」(以下ステップ2)の内容を紹介する本シリーズ。今回は「自己分析シート」の中の「Ⅰ.経営者の責任 (2)社員との信頼関係の構築」の特徴などについて紹介します。

経営理念の共有

 理念経営を実践する上での第一歩は、経営者が目指す企業像、経営理念を確立し、社員に熱い思いといっしょに発表することからはじまります。厳しい経営環境の中、経営を維持・発展させていくには、経営者は目的を明確にし社員と共有し、一丸となれる会社を作らねばなりません。そのためには、経営者と社員の信頼関係が不可欠です。

 経営者は、社員をパートナーであると自覚し、経営情報を公開し、社員の声を経営に生かさねばなりません。就業規則を整え、労働環境を整え、社員の待遇改善に積極的に取り組まねばなりません。これらの取り組みなしに、パートナーの関係は成り立ちません。

社員との信頼関係の構築

 社員との信頼関係を構築するには、まず社長自身が信頼される人間にならねばなりません。社長の日々の行動や話から、社員はそれを敏感に感じ取ります。

 信頼関係を構築する手段としてコミュニケーションの仕組みづくりが必要です。また就業規則や賃金規定・公平な評価の仕組みを作り、社員の健康や家族の幸せまで大切にしなければなりません。社員をパートナーとする限り、経営情報の共有や経理の公開は不可欠です。

企業変革支援プログラムを活用しよう

 企業変革支援プログラムステップ1で、あなたの理念経営を定期的にチェックしましょう。このチェックは、ぜひ、社員と一緒にやりましょう。互いの評価の違いは何か話し合うことで、社員との信頼関係が構築され理念の共有ができます。

 何をどうしたらいいのか? その方法やヒントは、ステップ2に取り組むことで見えてきます。具体的な自社の変革の方法を、社員と一緒に考え、実践し、定期的にその成果を確認しましょう。PDCAの継続的な取り組みが、企業変革を生み出します。

 社長と社員の信頼関係が構築され、全社員が一丸となって、理念に掲げるような会社に変われたら、こんなすばらしいことはないのではないでしょうか?

(株)村田自動車工業所 代表取締役社長 村田 健二(滋賀同友会)

「中小企業家しんぶん」 2012年 7月 5日号より