条例づくり・活用を通して広がった行政・他団体などとの関係、新支部づくり【千葉】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】20

 先進的と評価される千葉県中小企業振興条例が2007年3月に制定されて以来早5年が経ちました。

 この条例制定と活用によってこの間、行政をはじめとした諸団体との関係が広がってきています。

 具体的には次のようなことです。第1に、千葉同友会と県商工労働部との間で窓口が確立し、日常的な情報交換や諸行事への誘い合いが行なわれるようになってきました。また他の部局との関係でも、千葉同友会に対して研究会・委員会などへの委員の就任要請が相次ぎ、その結果、さまざまな分野での行政と接触・交流する機会が増えています。

 第2に、条例に基づく中小企業元気戦略を検証する、「中小企業振興に向けた研究会」(副会長は、千葉同友会会員)を通じて、地域で健闘している中小企業家や経済団体、地域金融機関と一歩踏み込んだ話し合いができる機会も増えました。

 第3に、本年の3~4月にかけて立て続けに3支部(佐倉・北総・八街)を立ち上げる際には、役員が地元の市長・経済団体・金融機関などを訪問。千葉県の振興条例が話題となり、地域の疲弊が進む中にあって経営と地域振興に熱心な同友会のような団体ができることに熱い期待が出され、その結果、設立総会には市長を先頭に多くの方が来賓として出席しました。

 第4に、県の条例が市町村での条例制定・見直しの契機になっています。白井市では、市の職員が千葉同友会の研究集会の分科会に参加し、来年の産業振興条例(仮)制定に向けて、同友会会員も関わって準備に入っています。成田市では、4年前に制定されたばかりの商工振興条例の見直しに着手。商工会議所会員サービス委員会を窓口に千葉同友会会員も加わって県の条例の学習会などを行なっています。また政令指定都市千葉市では、振興条例は俎上にはのぼってはいないものの、産業振興ビジョンづくりや起業家育成に同友会会員も関わっています。

 2012年度千葉同友会第38回定時総会には、09年に就任した森田県知事が初めて来賓出席するなど、千葉同友会への外からの注目度が高まってきています。

「中小企業家しんぶん」 2012年 7月 15日号より