京都からつなげたい「学ぶこと」と「働くこと」と「生きること」 ~同友会大学で大学生と会員が意見交換 【京都】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】20

 6月13日、京都同友会では同友会大学の一環として、現役大学生と中小企業経営者が一堂に会し、「学ぶこと」と「働くこと」と「生きること」をより有機的につなげるためにはどうすれば良いのかについて意見を交わしました。

 好転の兆しを見せない大学生の就職戦線、若者層に顕著な雇用の不安定化、また社会問題化する“就活”。総じて「学び」を「働き」に生かせない現実があります。

 他方、企業家・企業として大学と地域との連携・協働や働きがいを感じられる企業づくり、働く場をどのように提供していくのかという課題や問題意識の存在があり、それらが講座開設の背景としてあります。

 当日は京都府立大学及び同志社大学の学生53名が参加。会員参加は71名でした。冒頭に京都府立大学公共政策学部講師・杉岡秀紀氏が大学・地域を取り巻くマクロな状況、大学生の就職実態について報告。「学び」と「働き」をつなげるキーワードについて提起しました。

 グループ討論の進行は学生が務め、出された意見は“マインドマップ”方式で手際よく付箋に書き留め、模造紙上で整理していきます。

 新卒採用の経験がないなど日常的に学生と接する機会がない経営者も多く、率直な感想が多く寄せられました。

 「夢の実現の為には中小企業への就職が早道と思ってもらえたらうれしいが、受け入れには教育体制の確立が不可欠である。」
 「学生は真摯に考えている。経営者としては働く中で学ぶ必然があると思っている。象牙の塔としての大学のイメージが良い意味で壊れた。」
 「学生がいまの学びがどう役立つのかについて悩んでいる様が良く分かりました。すぐに結果を求めてしまう社会の在り方を考えさせられました。」
 「第1志望に就職できなければ人生終わりという考え方もあり、仕事に対する夢はあまり伝わりませんでした。」

 今後はこの様な機会を共同求人部会など関連する部門と連携し、『人を生かす経営』の実践に位置づけて設けていきます。