経営指針と社員をつなげる~まずは少数での実践を~  東海化成品(株) 代表取締役 山田 耕司氏 (大阪)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】25

生き残れないのではという危機感から

 製造業であるわが社において、技術革新・経営革新など企業が変革しなければ今後生き残れないという強い危機感のもとに企業変革支援プログラムステップ1と2を使用しています。

 経営指針の成文化はすでに理念・方針・計画とできているのですが、どうもうまく実践できていないのが実情です。経営理念では社員に温度差があり、経営方針では掲示版のチラシのような扱いで、経営計画については私の引き出しの中で眠っています。これでは企業変革などとてもできるはずがありません。どうしても社員を巻き込み改善していく必要があるのです。

幹部3人で勉強会

 まずは幹部の3人で意志統一を計るために企業変革支援プログラムに取り組むことを決めました。

 勉強会は出勤日である第2第4土曜の午前中に月2回行うことにしました。元々その日は経営会議と称し3人で会議を行っていたのですが、予定的な内容が多く盛り上がりに欠け、いつも一時間ぐらいで終わっていました。

 今回の企業変革支援プログラムの勉強会では、ステップ1の自己分析から優先順位を決め、ステップ2の自己分析シートの1項目ずつを幹部3人ですることにしました。そしてその議題を埋めながら討論することにより、いろいろな問題提起がなされ、話は横道にそれながらも議論が深まるようになってきました。

 それにより多くの問題点が見いだされ、具体的にどうすれば良いかの改善策が見えてきたのです。たとえば経営方針・経営計画も3人で再度見直し、修正しました。

 それから社内会議で社員全員に説明し、理解を求めました。少しずつですが社員の意識も変わってきたように思います。このように企業変革支援プログラムは経営指針と社員をつなげ、実践していくための便利なツールだと思います。

 1人ではなく、3人ぐらいでするのが丁度いいと思います。また直接本にかきこんでください。その方が集中出来ます。

 みなさんもぜひ社員さんと一緒にはじめていきましょう。

(『OSAKA中小企業家』8月号より転載)

「中小企業家しんぶん」 2012年 8月 15日号より