「社員の自主性が発揮できる企業づくり」は経営者の責任【中同協社員教育委員会】

 8月24~25日と中同協社員教育委員会が東京で開催され、28同友会と中同協から57名が参加、「社員の自主性が発揮できる企業づくり」をキーワードに学びと交流を深めました。

 「社員の立場からの報告」では(株)オンザウェイ(野中元樹社長、東京同友会会員)の若手社員3名が登壇。毎日の朝礼、毎週の「PDCAミーティング」、毎月の「成果発表会」、毎年の「繁栄計画発表会」を社員が運営していること、行動予定や利益目標、エネルギー使用量などを一覧で確認できる仕組みを確立して情報共有していることと合わせて、個々人の持ち味をいかしつつチームワークを向上させるためのさまざまな取り組みを報告しました。

 続いて、大野栄一・中同協経営労働委員長が「同友会がめざす企業づくりと企業変革支援プログラム」について報告しました。大野氏は、社員教育に対する関心から同友会に入り、経営指針成文化の取り組みの経験を経て「企業変革支援プログラム」の開発に参画したと経緯を紹介。「同友会の3つの目的の具現化ツールである企業変革支援プログラムステップ1と2を、社員教育の観点でも活(い)かしていただきたい」と呼びかけました。グループ討論では「明確な経営指針が示され、PDCAが行われる環境の中でこそ社員の自主性が発揮される」と議論されました。

 2日目は田中昌弥・都留文科大学教授が「希望をつむぐ学力~中小企業の社員への期待」と題して講演しました。田中氏は若手社員の学力を育てるためには「受け止められる安心感を与えることが重要」と指摘。「社員の一人ひとりの人生の物語(ストーリー)を尊重してこそ、会社の物語と社員の物語をつなぐことができる」と強調しました。梶谷俊介・中同協社員教育副委員長が「社員一人ひとりがめざすものと、会社がめざすものとの共有が大切。それが経営指針をつくるということではないか」と締めくくり閉会しました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 9月 5日号より