【日本中小企業学会第32回全国大会】日本産業の再構築と中小企業について議論

 日本中小企業学会の第32回全国大会が9月22~23日、東京の嘉悦大学キャンパスで行われ、2日間でのべ247名が参加(主催者発表)しました。

 1日目の国際交流セッションで登壇した韓日産業技術協力財団の李佑光氏は韓国のサムスン経済研究所での自身の経験に触れながら、急成長を続けるサムスンの経営システムの特徴として、オーナー経営者と優秀な専門経営家が一体となった強力なリーダーシップを指摘、このような全グループレベルで戦略を立案する力強い組織は日本には存在しないのではないかと提起しました。

 2日目の統一論題では「日本産業の再構築と中小企業」と題して3名が報告。中国やインドに展開した日系下請け企業へのコスト圧力は耐えられる限界に達している、中小企業にとっては製品差別化を実現する知的生産性向上が不可欠、中小企業基本法や中小企業憲章の精神に基づいて国内に立地する伝統産業や中小企業のイノベーションを促す政策が求められるなどと報告がありました。

 今回の大会では、統一論題のほか、「産業集積と中小企業」「中小企業と国際化」「海外における中小企業」などの自由論題で7つの分科会も開かれました。

 大会と並んで行われた会員総会では、高田亮爾氏(流通科学大学教授)が会長に再任されました。また愛知同友会が賛助会員として入会が承認されました。来年の全国大会は愛知の名城大学で9月14~15日に開催されます。

「中小企業家しんぶん」 2012年 10月 15日号より