価格転嫁の見通し、国への要望など-消費税増税の影響調査を実施【宮崎】

 宮崎同友会は、8月27日から9月1日にかけて、消費税増税の影響調査のアンケートを行いました。

 8月10日の消費税増税法の成立により、消費税率が2014年4月から8%、2015年10月から10%になることを受け、各企業への影響、自社での対策、国への要望などを集約しようと行ったもの。

 アンケートはe.doyuとFAXの併用で行い、124件の回答がありました(回答率30・2%)。実質5日間という短期間の調査でしたが、多くの回答が寄せられ、コメント欄への記述も多くあったことなどから、関心の高さが現れた調査結果となりました。

 「現在の消費税(5%)にどのように対応していますか」の設問に対しては、約73%が「税額分を価格に転嫁している」と回答(図1)。一方、「自社で負担している」が15%あり、「その他」(12%)と回答した人の中にも、「半分位は自社で負担」「転嫁できる場合とできない場合がある」などの回答がありました。

 「消費税が増税となった場合の価格設定はどうしようと考えていますか」との設問に対しては、73%が「消費税分を価格に転嫁する」と回答しています(図2)。ただ「転嫁する」と回答した人の中にも、「顧客からの値引き要請が考えられ、結局負担することになりかねない」「価格競争が激化し、結果的に実質的な転嫁不可能になるだろう」などと記述する人も少なくなく、転嫁できるかどうか不透明な状況があることも伺えます。

 「消費税増税の経営への影響とその対策」を問う設問(記述式)で、「経営への影響」としては、「特にない」との声もある一方、「消費の冷え込み」やそれに伴う「売上減」、「価格競争の一層の激化」「利益の減少」を懸念する回答が目立ちました。また「駆け込み需要」を見込む声もある一方、「反動減」を心配する声もありました。

 対策としては「他社との差別化」「顧客との信頼関係の強化」「付加価値の向上」「経費節減」「財務体質の強化」などの回答が多くみられました。

 「政府への意見・要望」としては、さまざまな記述が寄せられました。特に「景気対策」や「デフレ脱却」を望む声が多く、また「政府の無駄の削減」や「適正な税の使い方」を求める意見も多数見られました。

 宮崎同友会ではアンケートの結果を全会員に送付。また宮崎県商工観光労働部商工政策課、九州財務局宮崎財務事務所、公正取引委員会へもアンケート結果を伝え、それぞれ「今後の施策検討の参考にする」とのコメントがありました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 10月 15日号より