地域活性化のプラットホーム-エコノミックガーデニングを学ぶ 【静岡同友会志太支部】

 全国に先駆け、地元中小企業を成長させる環境づくりを支援する「エコノミックガーデニング(以下EG)」に取り組む静岡県藤枝市。志太地域(藤枝・焼津・島田)の3市に跨(またが)る志太支部は、今期からEG研究会を立ち上げ、地域を横断的かつ主体的に学習を始めています。9月19日には、EGをテーマにしたパネル討論例会を開催。会員をはじめ、藤枝、焼津、島田、牧之原の行政担当者、商工関係者ら約80名が、4名のパネリストからEGの経済効果や推進課題を学びました。

 EGの第一人者の山本尚史氏(拓殖大学政経学部教授)は「導入期は行政主導で進めながらも、経営戦略を明確にした民間企業を主軸に、行政と関係団体が連携していくことが重要」と解説。

 村松一博氏(藤枝市産業振興部部長)は「市立駅南図書館へのビジネス支援コーナーの設置や経営相談会の開催、また域内事業所への実態調査を行っている」とEG事業状況を報告しました。

 清水至亮氏(静岡県事業引継ぎ支援センター統括責任者)は「後継者問題を抱える企業は多い。起業意欲の高い人材と企業をつなぎあわせる支援を、地域連携を高めながら続けていきたい」と説明。

 福田克己氏(静岡同友会副代表理事・(株)ホームプラザ大東 代表取締役)は「まずは経営者自らの資質を同友会で高めあうこと。そして企業間や産学官のネットワークを構築し、広域連携を図れる志太地域にしていきたい」と述べました。

 まとめに、コーディネーターの大石人士氏(一般財団法人静岡経済研究所理事研究部長)は「藤枝市は先進事例。今日のパネル討論を通して方向性がより具現化していくだろう」とさらなるEGの展開を期待しました。

 「地域に根ざす中小企業の活性なくして地域全体の活性なし」のEGの概念のもと、挑戦意欲の高い企業家を増やし、産業界と行政が一体となった環境整備や取り組みが重要となります。今後も志太支部ではEGへの主体的意識をもち、各社の具体的な経営挑戦を見出していけるように取り組んでいきます。

「中小企業家しんぶん」 2012年 10月 15日号より