共育で地域の未来を拓く【大阪】

同友会と高校のてい談例会~府下31名の校長が参加

 9月28日、大阪同友会主催により同友会と高校とのてい談例会が開催され、同友会から47名の経営者、大阪府下31の高校から校長が参加しました。

 大阪同友会経営本部高校求人部会主催、憲章政策本部共催によるもので、報告者として大阪同友会から堂上勝己代表理事(梅南鋼材(株)代表取締役)、高校側からは市橋剛校長(府立平野高校)、山田勝治校長(府立西成高校)が登壇しました。

 山田・西成高校校長からは現在おかれている高校のリアルな状況が報告されました。「しんどい生徒を多く抱える高校は先生もしんどい。総称して『しんどい学校』。しかしその生徒たちの背景には経済的貧困と家庭事情がある」と言います。「実父母と住んでいる家庭が5割を切った。シングルマザーの母の恋人と暮らす生徒。就職難の中、『働らかな、アカン』と思いながらその希望は劣化していかざるをえない。もはや学校だけでは指導や支援に限界があることを思い知らされた」と報告しました。

 大阪同友会との連携キャリア授業を現在おこなっている市橋・平野高校校長からは、「単に人手を補うために人を採るのではない。会社や地域の将来を担う、社会共育の一環として高校求人に取り組んでおられる同友会企業の姿勢に感銘した」との報告がありました。

 堂上代表理事からは「生徒たちに『働く』とはどういうことなのかを気付かせていくのは企業の使命」と力強い報告がありました。

 グループ討論では、学校側から「“家庭で怒られたことがない生徒。社会を消費者目線でしか見ていない親”という現状の中、企業人として、今困窮する学校教育に手を携え乗り込んで来てほしい」などの発言もあり、打ち解けた討論が行われました。個人の力ではどうすることもできない社会的要因。それを踏まえたうえで、未来を担う子どもたちを社会人として自立(自律)に導いていくのは、親や学校だけではないこと。そして、地域から中小企業や同友会に寄せられる期待は大変大きいことを確認しあうことができたてい談例会となりました。

「中小企業家しんぶん」 2012年 11月 25日号より