第43回中小企業問題全国研究集会 今こそ、社会の主役である中小企業が日本を変える!

中小企業憲章の精神を企業と地域のすみずみまで

 2月14~15日に開催された第43回中小企業問題全国研究集会は参加者1365名を迎え盛大に行われました。

【会長あいさつ】強靭な企業づくりのために総合的な経営力を身につけ経営環境改善へ

中同協会長 鋤柄 修氏

 全国行事に参加するたびに元気なみなさんの姿を見て私も元気になります。同友会は不思議な会ですね。みんなの顔を見て「やるぞ」と奮い立つ経営者がいるのが同友会です。

 まずは、大きな会場で1300名を超える会員を迎え、設営を担当されました福岡同友会のみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございます。

 同時に福岡同友会が50周年を迎えます。1963年創立です。東京オリンピックの開催が1964年でしたから、50年前というと日本がいよいよ高度成長に向かってスタートを切った年だと思います。私は就職活動をしていました。

 あれから50年毎年1歳ずつ年を重ねました。同友会に入って鍛えられた人はいくつになっても全国行事に出られます。50周年の節目に福岡同友会が更なる発展の機会を迎えられることを期待します。

 世の中が政権交代をしまして、少しムードが変わってきました。私の経験則では株が先行し景気が良くなるのではないかと思います。

 しかし、中小企業が待ち構えている問題としては金融問題に消費税の転嫁問題、それと為替の変動が輸出産業には上向きですが、資材を輸入して自分たちで加工して国内で販売している方にはマイナスです。

 経済というのはいつの世にも変化があり、一定の風向きがずっとは続きません。会社にフォローの風が吹いているかと思えば、突風が吹くこともありますし、思わぬことも起こります。

 そうした時代の変化に対応するために、われわれ中小企業家は経営環境を自分たちの手で変えられるようになろうということで取り組んでいるのが中小企業憲章、中小企業振興基本条例です。これを中心にして、中小企業経営者は自身の企業を強靭な企業に変えていく。そして自分自身は経営の総合的な力を身につけ、みなさんが力を合わせて経営環境改善に取り組んでいくことです。

 どうぞみなさま各同友会にかえり、各々の企業で実践をしていただきたいと思います。

【来賓あいさつ】経済活動の源泉は中小企業

経済産業省九州経済産業局局長 廣實 郁郎氏

 景気がだんだん改善されてきています。今週発表された12月の経済データでも工業生産の動向が今までずっと下降気味だったのですが、それが上方修正しています。これは多くの経済データに共通しています。それを見るとやはり景気が底を打って安定しつつあると考えています。

 補正予算が組まれましたが、政府では「三本の矢」という政策を強力に進めます。

 柔軟な金融政策、機動的な財政政策、それから成長戦略。とにかく政府で発射台を整え、第一弾を発射させるのがミッションになってくると思います。ただ、そのロケットを安定成長軌道に乗せるのはやはり民間の方々の企業家精神だと思います。

 つまり一番大切なのが成長戦略なのだと思います。その中でも日本経済の原動力は中小企業です。

 平成22年に閣議決定された中小企業憲章というものがございます。改めて読み直して本当にすばらしい文章であると思います。経済活動の源泉である中小企業がその力を思う存分に発揮できるように支援する、これは国の決意であります。

 今年度の補正予算や来年度の予算を併せて7000億を超えるものを予定しています。ですから創業起業に関わるスモールビジネスへの200~300万円でのきめ細かい支援をしていきたいと思います。我々九州経済産業局としても皆さんに寄り添いながら親身に考えていくことがミッションです。ぜひ私ども含めまして政府の機関を視野に入れながら企業経営に取り組んでいただきたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2013年 3月 15日号より