【社員とともにめざす企業像へ変革を~企業変革支援プログラム ステップ2】21
仕組みとして求められるもの
製品やサービスを安定的に生産・提供するために何が必要でしょう。そのための仕組みと体制であることは論を待ちません。仕組みとして求められるものは大きくいって次の3つです。
(1)生産計画又は供給計画
経営指針にそっていることが条件です。製品やサービスの種類、業種によりさまざまに異なります。
(2)品質基準
これにより、安定した品質が保証されます。
(3)工程管理
工程管理が機能することで、納期及び品質基準に合致した生産・供給が可能となります。
これらのものは文章化され、標準化されることが大切です。文章化されていない仕組みは実際には機能しないだけでなく、時間が経ち、担当者が変わると違ったものに変質する恐れがあります。また定期的に見直しも必要です。
組織的に運営する
生産・提供体制の運用に当たっては、全社的に運営されて、はじめて生きたものになります。
まず生産・提供体制の責任が専門性とスキルを有する人に割り当てられることが肝要です。
次に組織的に対応することです。個々の社員がバラバラに対応するのではなく、指示命令系統を明確にすることで、各自の仕事の責任の範囲がはっきりし、自分の職務を自覚することになります。
要員計画を重視する
中・長期計画に基づいた社員の採用は企業にとって一番大事です。経営計画に合わせた要員の配置は、企業の存続、責任において最重要であり、またその能力の開発は長年にわたる現場での修練の結果に他なりません。また、他社にない、自社独自の技術やノウハウを先輩から受け継ぎ、自分のものにすることが必要です。従来ともすると職人技は、一代限りで後輩にも教えないという気風がありましたが、自社独自の技術は後輩にバトンタッチされてこそ本物になるのです。
法令改正への対応
事業そのもの、製造している商品、使用する材料など事業を行っていくうえで、さまざまな法律(規制)に関わりを持たざるを得ません。各種業界団体に加盟するなど組織的に情報の取得を心掛けることが必要でしょう。
(有)コンサルタント朋友 代表取締役 奥長弘三(東京)
中同協企業変革支援プログラム検討ブロジェクト委員
「中小企業家しんぶん」 2013年 4月 5日号より