高校求人活動は企業革新の源泉!【大阪】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】28

 各同友会の実践事例を紹介する本シリーズ。今回は大阪同友会高校求人部の取り組みを紹介します。

キャリア支援授業きっかけに大きく前進

 2012年度の大阪同友会高校求人部の活動は、高校の先生との懇談会(6月、参加総数19名)、校長先生との鼎談(ていだん)例会(9月、同60名)、高校の先生との勉強会(12月、南東地区主催・本部合同、同54名)、高校の先生との勉強会(3月、同54名)と2011年度の参加者数を大きく上回りました。

 高校求人部では総括討議を経て、2013年度の方針として「高校求人活動は、単なる人採りの活動ではなく、企業革新の運動であり、地域経済活性化の運動であり、同時に中小企業の魅力と役割を社会に訴える運動である」と成文化しました。

 このように高校求人部主催の勉強会参加者数が増え、理念が深まり、活動が大きく前進したきっかけは、2011年から始まった「高校との連携キャリア支援授業の実践」にあります。

 府立のいわゆる「しんどい高校」(生徒が「しんどい」から先生も「しんどい」高校で、一般的には「底辺高校」と言われているところ)5高校と同友会は計11回、合計1741名の生徒と先生を対象に、336名の会員が昼間に授業を行いました。

 その授業内容としては小グループ主体のグループ討論形式で「働くこと」について行いました。当初、1地域の経営指針活動の延長として、地域連携の観点で始まった取り組みでしたが、予期せぬ効果として参加した多くの企業から「わが社でも高校生の初雇用にチャレンジしてみた」との声が聞かれました。

 また11回のうち2回は先生とグループ討論が行われました。地域ごとの会社(働く現場)に4名ずつの先生と各地域の会員が数名集まり、各3時間の会社見学及びグループ討論を行いました。

 ある高校では後日校長先生が来局し、「今回の取り組みで先生方の意識も変わったし、昨年より就職内定者が6割増えました」との報告がありました。

 2011年度は1地域での活動でしたが、2012年度は大阪同友会全5地域のうちの3地域での活動となりました。2012年度の活動で明らかに見えてきたのは「高校生を取り巻く環境の厳しさ」であり、それを踏まえての「共に育つ企業の実践」の必要性でした。

 2013年度も高校求人部として、同友会の提唱する「求人運動」へ1社でも多くの参画を得られるよう呼びかけを強めていく予定です。

「中小企業家しんぶん」 2013年 5月 5日号より