人間が人間らしく生きられる社会へ―大久保尚孝氏の遺志継いで【中同協社員教育委員会】

 8月29~30日、中同協社員教育委員会が東京で開催され、28同友会と中同協から78名が参加しました。1日目は今年2月に逝去された大久保尚孝氏(中同協の初代社員教育委員長・共同求人委員長、北海道同友会相談役)を偲ぶ特別企画として共同求人委員会と共催となりました。

 本郷利武・北海道同友会代表理事は「未知の多きを知る人は知の大いなる人。なすべき課題の多さを知る人は情熱に燃える人。人を愛し、人をおそれ、人を信じる人こそ真の人」という大久保氏の言葉を紹介し、大久保氏の言葉に多くの経営者がひかれ、同友会にのめりこんでいったと報告しました。

 竹田正直・北海道大学名誉教授は、北海道同友会の同友会大学の意義に触れ「大久保氏は人間らしさを重視した社員教育をめざして基礎に“学び”をすえた」と報告しました。大田堯・東京大学名誉教授も映像出演。1982年に初めて会ったとき「大久保さんは経済人でありながら、モノ・カネを超えて“人間”を考える特異な存在という強い印象を持った」と振り返り、「大久保さんの描いた“人間らしく生きられる社会”の夢を同友会は大切にしてほしい」と訴えました。

 1日目のまとめで赤石義博・中同協相談役は「大久保氏の根底にあったのは人間が人間らしく生きられる社会をめざす姿勢」と述べ、「そのためには骨身を惜しまない大久保氏の姿に学ぶべき点がある」と強調。

 その後の「大久保氏を偲ぶ夕食会」では、大久保氏と知己だった参加者が次々とスピーチ。氏を偲びながら和やかに懇談しました。

 2日目は社員教育委員会の議事を行いました。この間、取り組んでいる他委員会との連携の一環で、内田五郎・中同協障害者問題委員長から問題提起を受けグループ討論。一人ひとりの人間を尊重する課題が最も端的に現れているのが障害者雇用であり、社員教育活動の課題として取り組む意義が大きいと確認しました。

「中小企業家しんぶん」 2013年 9月 15日号より