環境変化に強い企業づくりをめざして~経営研究集会を被災地・気仙沼で開催【宮城】

 11月12日、宮城同友会の経営研究集会が気仙沼市内で開催され、186名が集いました。同集会が仙台市以外で開催されるのは初めてです。被災地の中小企業による復興の取り組みを共有し、全国にも被災地の声と力強く歩む姿を発信しようと、気仙沼での開催となりました。

 基調講演は吉田敬一駒澤大学教授。吉田氏は「企業と地域の真の復興は中小企業の手で」と題して講演しました。被災地の復旧・復興を同友会企業がリードしてきたことを指摘し、「持続可能で幸せな地域づくりのため、同友会は地域の灯台、同友会企業は地域のフロンティアとなることが期待される」と提起しました。

復興をリードする同友会会員企業

 続いて2つの分科会に分かれて学びました。第1分科会では(株)八葉水産代表取締役の清水敏也氏(宮城)が報告。同社は水産加工メーカーで、6つあった工場や冷凍施設が全て被災しましたが、1年後には事業再開を果たしました。清水氏は、雇用を守り、地域の若者が夢を持てるきっかけづくりとして帆布製のオリジナルバッグや小物を製造販売する新会社を設立してきたことを報告し、新たな価値を生み出す仕事をつくることが地域にとってますます求められていると提起しました。

 第2分科会では京都同友会の土井善子氏((株)思風都取締役会長)が報告。知的障害者の雇用を通して、一人ひとりの個性を生かした社風づくりを報告し、自社だけでなく地域に広げていくことで誰もが育ちあう地域をつくることになると提起しました。

 経営研究集会では、宮城県気仙沼地方振興事務所所長の高橋総一郎氏が来賓あいさつしたほか、行政、金融機関、経済団体から多くの来賓があり、地域と同友会の連携をさらに発展させる契機となりました。

「中小企業家しんぶん」 2013年 12月 15日号より