障害者を雇用しているのは誰?

 日本政府は障害者権利条約を批准し、2月19日に世界で141番目のスタートを切りました。現在日本では厚生労働省調査から、身体・知的・精神障害者数の合計が約7,443,000人、障害者手帳発行数は6,949,216件(全人口の5.8%)とされています(障害者数は2006年度、手帳発行数は2011年度)。また、2013年4月1日に法定雇用率が 1.8%から2.0%に改定され、障害者を雇用しなければいけない事業主の範囲が56人以上から50人以上に変更になりました。

 身体・知的・精神障害者の雇用状況について、厚生労働省が「障害者雇用状況」の集計結果を公表しています(2013年11月19日)。それによると50人以上の規模の民間企業では雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新しています。雇用障害者数は408947.5人、対前年比で7.0%(26584人)の増加でした。実雇用率は1.76%の対前年比0.07%上昇、一方で法定雇用率達成企業の割合は42.7%と前年比で4.1%低下しています。しかし、企業規模別の雇用率(表1)の表だけを見て、世間では中小企業の雇用数・率が低いと評価されるのがほとんどです。確かに働いている数字は明確ではないかもしれませんが、それはこれまでの法定雇用数だけでの判断で55人(昨年から49人)以下の企業の障害者雇用数を全く無視しての評価です。

 2013年に沖縄労働局が沖縄同友会の要請で回答した結果を見れば、実態は明らかです(表2)。沖縄では当時雇用義務のない55人以下の中小企業が50.6%も障害者を雇用していました。中小企業が障害者をたくさん雇用している実態を全国でも明らかにしてほしいデータです。

「中小企業家しんぶん」 2014年 2月 25日号より