再生可能エネルギーの価値

 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まって2年。日本経済新聞(2014年7月2日付け)の報道では、再生可能エネルギー設備の発電能力は3月末で2955万kWと2年で1.5倍。一方、電気料金への上乗せ額は標準的な世帯で、2012年度の月87円から2014年度225円に増加。このままでは2018年には600円を超える可能性もあるとしています。

 しかし、ここには外国に払っているエネルギー代が国内で循環することへの評価が抜けています。2013年実績では、太陽光で設備容量 1177万kW、買取電力量71億kWh、買取費用3016億円でしたが、再生可能エネルギー発電設備導入量から見れば、2013年だけで718.5万kW導入しています。累計では約2900万kW分となっており、関西電力の融通分を除く2700万kWに相当すると考えると、関西電力の2013~2015年平均の燃料代4173億円分が海外に払われなくてすんでいることになります。2013年度増加分の718.5万kWで言えば1000億円以上を稼ぎ出したともいえます。(表1)

表1 再生可能エネルギー導入状況

 日本の再生可能エネルギーの最大ポテンシャルは、2012年実績と比べれば、水力で1.5倍、地熱で60倍、太陽光で80倍、風力で740倍(ただし洋上が85%で陸上だけだと113倍)、バイオマス発電で5倍、太陽熱40倍、バイオマスで44倍です。太陽光や風力だけでも日本は燃料を輸入しなくても発電できる力を持っていると言えます。(表2)

表2 日本の再生可能エネルギーのポテンシャル

「中小企業家しんぶん」 2014年 7月 25日号より