外形標準課税の中小企業への適用拡大 あなたの会社への影響は? 試算の取り組み広がる

総会での様子

 政府税制調査会が外形標準課税の中小企業への適用拡大などの法人税改革の提言を行ったことを受け、各同友会では、学習運動や反対運動がひろがっています。

 学習運動の一環として多くの同友会では、外形標準課税の適用拡大が実施された場合、各社ではどうなるかを試算する活動に取り組みはじめています。

 7月23日に行われた中同協・中小企業憲章・条例推進正副本部長と政策委員会正副委員長の合同会議でも外形標準課税の問題について今後の取り組みなどを意見交換。試算用の資料(宮崎同友会・中村健一郎氏作成:(有)財務経営サービス代表取締役、税理士、2面に一部を掲載)を各同友会に紹介し、活用を呼びかけること。中同協のホームページにも掲載することなどを確認しました。

 中村氏作成の試算用資料では、資本金等・報酬給与・純支払賃借料・純支払利子・所得金額など7項目の数字を入力すると、税額がどのようになるか自動的に計算される仕組みになっています。

 中村氏は具体的なモデルも作成。資本金等が1000万円、売上高3億円の企業で「黒字健全な中小企業」「競争激化の中で経費節減に努め、黒字を実現している中小企業」「典型的な赤字中小企業」など6つの事例を紹介し、黒字企業で60~70万円台、赤字企業でも10~20万円台の増税になることを示しています。

 この試算用資料は中同協ホームページで8月末に公開予定です。ホームページ上の表に数字を直接入力すると、税額が計算される仕組みになっています。

法人税引き下げと中小企業軽減税率廃止と外形標準課税適用シミュレーション

外形標準課税が適用された場合の税額試算資料

宮崎同友会・中村健一郎氏作成 〔(有)財務経営サービス代表取締役、税理士〕

表のグレーの箇所に数字を入力すると税額が計算される仕組みになっています。中同協ホームページで8月末に公開予定です。

注1:このシートは、資本金1億円以下の普通法人を対象とした略算計算シートです。
注2:このシートは、影響額の大勢を観るために、各自治体で異なる法人住民税均等割額を省き、税率も標準税率での概算計算です。従って、実際の申告税額は、現行税制での試算と「税制改正」後の試算の両方とも、もう少し多い税額になります。
注3:このシートでは、法人税率を現行の25.5%が20%に引き下げられるケースを想定しています。
注4:このシートでは、法人事業税の軽減税率も廃止されると仮定して計算しています。

「中小企業家しんぶん」 2014年 8月 15日号より