2015年の経済成長予測

 IMF(国際通貨基金)は10月、2015年の世界成長率予想を3.8%へ引き下げました。ユーロ圏やブラジル、ロシア、日本の見通しが悪化する中で、米国が世界の成長加速を先導すると見込んでいます。米国の見通しは明るいとし、2015年は3.1%に加速するとしました。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ開始は来年半ばと予測。新興国では、中国の成長率は7.1%と予想を据え置いています。ユーロ圏については、欧州中銀が12月に予想を1.0%と下方修正しました。

 OECD(経済協力開発機構)の2015年経済見通しでは、11月時点で世界は3.7%、加盟国全体の成長率は2.3%に下方修正。米国は成長率を3.1%に引き下げ、ユーロ圏は停滞懸念の強まりから1.1%に引き下げられました。内閣府「世界経済の潮流Ⅰ」では、世界経済は米国の回復により穏やかに回復としました。またアジア開発銀行は、2015年の地域全体のGDPを6.4%とする見通しを据え置きました。

 日本の2015年の成長見通しでは、消費増税10%の先送りで一段の冷え込みは回避されましたが、IMFは2015年日本の成長予想を、4月の消費増税で個人消費が伸び悩むと0.8%に引き下げました。OECDも0.8%に引き下げ、初の2年先予想では2016年見通しを1.0%としています。日本の21の民間機関は14年を▲0.6%と引き下げた反動から少し上方修正し、平均では実質1.6%の成長。全部を平均すれば1.1%の成長が予想されています。しかし、大企業の利益拡大により格差が開き、さらに円安で地域と中小企業にとっては一段と厳しい環境も予想されます。

「中小企業家しんぶん」 2014年 12月 25日号より