長寿企業の数

 新年度が始まりました。『同友会運動の発展のために』(中同協発行)の中で「よい会社とは、どんな環境変化に直面しても雇用を守り、永続して利益を出し続ける企業といえるでしょう。」とありますが、日本国内で永続できている会社はどれぐらいあるのでしょうか。

 韓国銀行が2008年5月に発表した「日本企業の長寿要因および示唆点」と題した報告書で「世界で創業200年以上の企業は5,586社(合計41カ国)あり、このうち半分以上の3,146社が日本に集中、続いてドイツ837社、オランダ222社、フランス196社の順」とあり、ウィキペディアの老舗企業一覧(578年金剛組から1699年若竹屋酒造場までの世界中の創業300年以上企業980社の社名を古い順で載せている(表))で見ても、53%は日本企業。業種を数えると清酒業が88社、和菓子71社、旅館ホテルが64社、ほか20社という状況です。

 東京商工リサーチは2月に2014年倒産企業の寿命が23.5年と発表、一方2012年には「全国で創業100年超の老舗企業は2万7,441社であり、100年以上200年未満が2万4,924社、200年以上300年未満835社、300年以上740社」と発表。上記の内容が裏づけられる数字です。従業員別では300人以上の企業が935社(同3.4%)で従業員数10人未満の企業が過半数(52.6%)を占めました。

 帝国データバンクの長寿企業の実態調査(2013年)でも「業歴が100年以上の長寿企業は2万6,144社で、規模別では従業員10人未満が1万6,287社で62.3%、年商10億円未満が2万1,431社で82.0%」と多くが中小企業です。国税庁の統計によると「業歴100年以上の同族企業は3万社と推定される(ヨーロッパは約6,000社)。また同族企業の割合は、資本金1億円未満では97%、5億円超の企業でも65%」と同族企業が多く、「理念と人を大切にしている」老舗中小企業の方が長生きしていることがわかるデータです。

「中小企業家しんぶん」 2015年 4月 25日号より