【同友会景況調査(DOR)111号(2015年1~3月期)速報発表】4期連続マイナスで景気停滞、二極化さらに鮮明に

主要指標、消費増税後から停滞続く

 足下の業況を示す業況水準DI(「良い」―「悪い」割合)は△1→△6と悪化、直近の実績を示す採算水準DI(「黒字」―「赤字」割合)も37→30と後退しました。次期以降は改善が見込まれていますが、今期に正規従業員数や所定労働時間、また設備投資実施割合で減少が見られるなど先行きが好転するための材料に乏しい状況です。個人消費を中心に内需がさえず、円安によるコスト高も解消されないなか、先行きへの警戒感が払拭できずにいます。“アベノミクス不況”が継続する中、気を引き締めた経営が求められます。

 業況水準DIを業種別に見ると建設業が13→△1、製造業が△6→△7、流通・商業が△5→△12、サービス業が△5→△2と、サービス業以外で悪化しました。企業規模別では20人未満が△10→△15、20人以上50人未満が7→△1、50人以上100人未満が6→5、100人以上が5→13と100人以上だけが改善しています。景気の二極化が鮮明です。

 経営上の問題点として「従業員の不足」の指摘割合が高まるなか、経営上の力点として「人材確保」と「社員教育」が増加しています。自社の存在意義を改めて確認し、採用と教育の努力を強めて付加価値を高める戦略が重視されています。内需を草の根から活性化することができるかどうか、中小企業の真価が問われています。

 速報の詳細は中同協ホームページに掲載されています。

「中小企業家しんぶん」 2015年 4月 25日号より