全国で合同入社式・新入社員研修が開催~新社会人の自覚をもち、企業に新しい風を

 新入社員を迎え、合同入社式と新入社員研修が全国で開催されました。長崎、山形・兵庫の合同入社式と新入社員研修を紹介します。

初の合同入社式を開催 社会に貢献できる人材へ【長崎】

長崎同友会

 4月1日に長崎インターナショナルホテルで長崎同友会初の合同入社式を開催し、14社から29名のはつらつとした新入社員と会員企業関係者ら約60名が参加しました。

 最初に松尾慶一代表理事より、同友会の役割そして新入社員に期待するはなむけの言葉をいただきました。新入社員のみなさんは、緊張した趣で真剣に耳を傾ける姿が印象的でした。

 記念講演は、富永栄一郎・(株)富建代表取締役社長より「社会人とは」というテーマで講演をいただきました。創業105年の歴史から始まり、新入社員と同じ目線に立ち自身の社会人1年目を振りかえったお話。そして、社会人としての心構え、金銭の貸し借りの注意点、開運10カ条の内容など、学生であった新入社員に向けた新鮮で身が引き締まる内容でした。

 講演終了後はグループ討論を行い、より学びを深めるひとつの手段である事を改めて感じました。

 第2部は、「新入社員が身につけたいコミュニケーション」と題して、しんかん社会保険労務士事務所所長の西山浩之氏よりコミュニケーションゲームを交えて講義をいただきました。

 最後に、1人ずつ社会人宣言を発表しました。「地域のお役にたつ社員になる」「思いやりを持って接していきたい」「自立した人間になる」「社長を超える人間に成長する」といった頼もしい宣言が次から次へと発表され、参加された社長の皆様は目を細めておられました。

 まとめとして、私から「今日からそして明日からへの希望を胸に、1日でも早く成長し、社会に貢献できる人材へと成長していただきたい」とエールを送りました。

 初の合同入社式を機に地域に根差した同友会活動を推進して参ります。

長崎同友会 共育委員長 土井 幸喜

笑顔に勝るものなし【山形】

電話対応講習中

 4月3日、山形同友会は、2015年合同入社式・新入社員研修を山形県産業創造支援センターにて開催。会員企業22社、新入社員38名、経営者など71名が参加しました。

 主催者を代表し、阿部和人社員共育委員長が「教わることより発見してほしい。発見、気づきが行動に直結し、加速度的に成長させる。この研修は発言する場面が多いが、緊張せずに自分の言葉で思いを伝えてほしい」とあいさつを述べ、スタートしました。

共に学び共に成長しよう

 合同入社式で、西塔代表理事がお祝いのあいさつを述べ、新入社員に激励の言葉を贈りました。

 新入社員を代表し、(株)朝日測量設計事務所の吉田陽一氏が、自分の力を生かす仕事を考え、自分を認めてもらえ入社できた喜びと、多くの仲間と合同入社式に参加できた喜びを伝え、「若者らしく不屈の精神で全力を尽くしていきたい」と新社会人の決意を述べました。

新人の力に期待を込めて

 研修の第1部は、早坂幸起・(株)エツキ代表取締役社長が「笑顔に勝るものなし」と講演。はじめに「採用していただいてありがとう。入社していただいてありがとうが、ずっと続きますように」と述べました。新入社員の特権は若さと笑顔であると、絵文字で笑顔を送るなら本物の笑顔をと講演。早坂社長が実践している新入社員との手書きの交換日記を紹介し、「会社は幅広い世代の社員、お客様と仕事をしている。手間はかかるがアナログを意識してほしい」と自分の言葉で伝えることを強調。「皆さんにしかできない、職場の空気を変える力がある」と新人の力に期待を込めて語りました。

 引き続き、昨年研修会に参加した田宮印刷(株)の奥田美咲氏、(株)菊池技建の山川達也氏、(株)エム・エス・アイの山口哲央氏の先輩3名が、失敗してもチャレンジしていくこと、人間関係づくりなどについて報告し、目標を見つけ力をつけてほしいとエールを送りました。

 グループ討論では、どんな社会人になりたいかを話しあい、同じような思いでいることを共有しました。経営者も一緒に語りあい、仕事に対する姿勢や明日からチャレンジ精神で働こうと希望が溢れる討論となりました。

 第2部のビジネスマナー研修では、山下・(株)アイ・タックル常務が講師を務め、マナーは相手に対する思いやりが基本だと説明し、あいさつ・名刺交換・電話応対・メールマナーなど実技指導を交えて行いました。

社員が成長できる環境づくりをめざして

 早坂社長が講義で「経営者の仕事は、社員に夢と希望そして喜びを与えるための努力を続けること」と語ったように、改めて経営者の責任の重さを実感し、笑顔が続き、成長できる環境づくりを決意した研修となりました。

基本の徹底こそビジネスマンの第1歩!【兵庫】

接客対応講習中

 兵庫同友会では、4月2~3日に1泊2日で新入社員研修を開催し、44社から100名が参加しました。

 研修の目的を「基本の徹底」に置き、講師任せにせず、共同求人・人材育成委員会、参加企業、講師(兵庫同友会会員)が協力し合い実行することを確認して開催しています。

経営者に本音で何でも聞いてみよう

 1日目は、「これから伸びる社員、駄目になる社員、その違いは何か」の基本講義で、これから習うこと、学ぶことの意味や価値を伝えるとともに、身だしなみチェック、発声・あいさつ訓練などの基本動作、ビジネス言葉や文書、茶菓接待などのビジネスマナーの実践を行いました。

 学生時代では当たり前であった甘さが仕事では通用しないこと、頭ではわかっていても実際にやってみるとできないことに気づき、参加する姿勢がどんどん積極的になっていきます。

 1日目の最終に毎年恒例で行われているのが、仕事をしていく上で不安なことや疑問点を書いてもらい、その内容について、会員経営者や先輩社員が本音で答える「何でも聞いてみよう」という時間です。

 社内の人間関係やマナー、落ち込んだ時、はては辞めたくなった時の対処など、研修講義とは少し違う、経験に裏打ちされた内容で、「回答」をする方も聞く方も真剣な場となりました。

 2日目は、「名刺の扱い方」「ビジネス電話の掛け方・受け方」「指示・命令の受け方」「報告・連絡の仕方」をロールプレイニング形式で徹底して行いました。

 研修をつくりあげるため、3月に会社側参加者による「事前勉強会」を開催し、講師としての心構えや、具体的な当日の行動について確かめ合い、当日は25名が“講師役”として参加しました。

 初めて参加した会員や先輩社員からは、「教えている自分自身がしっかりできているのか再度確認する場になり、身の引き締まる思いでした」との感想が出されました。

 最後は、「まとめのレポート」をもとに、研修会終了後の報告を想定してのスピーチ訓練です。最初はぎこちない新入社員も、何回も訓練することで段々と自信をつけていきます。会場に響く「ありがとうございました!」のあいさつの声には、参加者の決意が込められていました。

「中小企業家しんぶん」 2015年 4月 25日号より