(株)現場サポート 代表取締役福留 進一(鹿児島)
近年新たな働き方として注目を集めているテレワーク。コロナ禍の働き方として定着しつつあります。新型コロナの前からテレワークを導入してきた(株)現場サポートの実践事例を全5回にわたり連載します。
テレワークだと管理ができないのではないか? 多くの方が不安を口にします。この際、管理統制型の組織から、自律自走型の組織へ変えてみてはどうでしょうか?
自律自走型へのステップ
自律している状態とは、「会社ごと」が「自分ごと」となっている状態であり、次のようなステップが必要だと考えます。
STEP(1):社員との関係の確立 (社員をパートナーと考えること、「労使見解」そのものです)
STEP(2):徹底的な情報公開 (情報公開無くして自律なしと考えます)
STEP(3):双方向コミュニケーション (特にアウトプットの機会を増やすことが有効です)
STEP(4):権限移譲 (思い切って任せてみましょう)
自律自走型の道具
STEP(2)~(4)までを、効率的・効果的に行うためには、ICTの活用が不可欠です。
テレワークで管理の問題が浮上するのは、これまでの問題が顕在化したに過ぎません。テレワークの実施の有無に関わらず自律へのステップへのチャレンジが必要と考えます。ICTという道具の使い方のポイントは、業務効率化に止まらず、風土を変えるところまで欲張ることです。
主体的に仕事を取りに行く新入社員の事例
つい先日、社内のSNS(自社開発の現場クラウドConne)上で、商品開発部への問い合わせに、新卒新入社員が主体的に対応した事例を目にしました。
普段なら上司が対応している案件です。入社5日目から在宅ワークとなり、現在でも週1回程度しか出社しない新卒新入社員が、STEP(1)~(3)までの影響を素直に受け、主体的に行動した事例です。
ホウレンソウより見える化
私は「報連相をしなさい」という指示はしませんが、仕事の見える化は徹底的にしています。STEP(4)の権限移譲で特に重要なのが、見える化だと考えます。
権限移譲しても、何かあればバックアップができる状態であるから、思い切ってチャレンジができるのだろうと考えます。
環境変化を、組織のあり方の見直しの好機と捉えてはいかがでしょう? 次回はエンゲージメントの変化について報告します。
「中小企業家しんぶん」 2020年 12月 15日号より