時代を創る「地域企業」への変革を~第48回中小企業問題全国研究集会兵庫で開催

中小企業の課題解決へ向け2000名超の熱気

 2月8~9日、神戸ポートピアホテルを主会場に、「地域再生の担い手として、時代を創る『地域企業』への変革を」をメインテーマに、「第48回中小企業問題全国研究集会」が開かれ、47同友会と中同協、来賓を含め2054名が参加しました。

 北陸地方の大雪やインフルエンザの流行が心配される中、全国から参加者が集い、1日目は20の分科会ではじまりました。

 採用や教育などの人の問題や、価格競争や不公正取引など業界や企業間の問題を「中小企業問題」として、どのように考え、経営課題や同友会運動の課題として解決していくか、実践事例とアドバイザーなどによる客観的アプローチから学びあいました。分科会は、「労働環境改善」「採用・育成」「事業承継」「第4次産業革命」のテーマなどが多く参加者を集め、20の分科会で課題を掘り下げる議論が行われました。

500名超える実行委員会体制

 設営した兵庫同友会は509名の実行委員会体制で、「学びあいこそが最大のおもてなし」を合言葉に当日に臨みました。この日までに関西ブロックの協力も得て、グループ長研修を25回にわたって行い、関西6同友会で170名を超えるグループ長を担当。分科会の室長は北海道から沖縄まで打ち合わせに参加して、報告内容やグループ討論テーマを共に吟味しました。

 2000名の熱気に包まれた懇親会は、兵庫商業高等学校龍獅團、神港橘高等学校龍獅團による中国獅子舞で華やかに始まり、最初に井上規代子実行委員長があいさつ。40名を超える来賓を代表して井戸敏三・兵庫県知事と久元喜造・神戸市長があいさつしました。

 同友エコ大賞を受賞した田村満氏(岩手)や西岡洋子氏(大阪)、吉野雅一氏(埼玉)なども登壇。また、次年度開かれる大きな全国行事のPRは会場に華やかさを添えました。

「地域企業」の果たす役割とは

 2日目は最初に藤岡義己・兵庫同友会代表理事が開催地を代表し、広浜泰久・中同協会長が主催者を代表してあいさつしました。

 記念講演は日本最古といわれる有馬温泉の再生を担った金井啓修氏((株)御所坊代表取締役)が、「地域に眠る“物語”を資源に変える」をテーマに、「回遊性のあるまちづくり」の取り組みと企業づくりを報告。

 震災復興シンポジウムでは、佐竹隆幸・関西学院大学大学院教授をコーディネーターに、田中信吾氏(日本ジャバラ(株)代表取締役、兵庫)と菊地逸夫氏((株)キクチ代表取締役会長、福島)が報告。阪神・淡路大震災時と東日本大震災時に、会員経営者が雇用を守ると宣言し、社員とともにどのように乗り切ってきたか、何が大切だったかなど、それぞれの実践をもとに参加者に投げかけました。佐竹氏は中小企業が地域に必要とされる「地域企業」であることや復興に果たす役割などについてまとめました。

 まとめには中山英敬・中同協幹事長が登壇。閉会あいさつに次回の全研開催地である松尾慶一・長崎同友会代表理事が立ち、長崎での再会を呼びかけました。

「中小企業家しんぶん」 2018年 2月 25日号より