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「仕事と家庭の両立支援」へ 「よい会社」づくりの一環に【広島同友会と県がタイアップ】

「社員の働きやすい職場づくり」を

 厚生労働省は8月、「ワークライフバランスと雇用システム」と題した「労働経済白書」を発表。「仕事と生活の調和がとれた働き方を推進していくことは、労働者の仕事への満足感を高め、就業意欲を高めていくことに大きく寄与する」としています。同省は今年度の少子化関係予算で約1兆5000億円を計上。仕事と家庭の両立支援として、企業向けに企業の行動計画の策定実施(次世代認定マーク)支援などを行っています。「よい会社づくり」の一環として、この問題に行政とともに積極的に取り組む広島同友会の様子などを紹介します。

会員企業17社が「両立支援認定企業」に

 広島同友会では、広島県が行っている次世代育成の支援各種施策のうち、(1)仕事と家庭の両立支援認定(ママチャレンジ事業含む)、(2)こども未来づくり・広島応援隊(同友会も経済6団体の一員として参画)の2つに取り組んでいます。

 特に、両立支援認定については、同友会の目的の1つである「よい会社づくり」の一環として、「社員の働きやすい職場づくり」をめざそうと、主に共同求人活動に参加している会員に紹介し、広げています。

 両立支援認定企業は、広島県では58社が登録、うち会員企業は17社で、約30%をしめています。

 また9月28日に開かれた女性の再チャレンジを支援する「がんばれママさんお仕事フェア」(広島県主催)では、出展企業36社中8社が会員でした。

合同企業説明会でも目立つ「両立支援企業」

 広島県商工労働部では、広島同友会が主催する学生向けの合同企業説明会に、両立支援企業応援コーナーを出展し、同制度の存在を知らせるとともに、行動計画策定のアドバイスをしています。

 合同企業説明会会場内にある企業ブースの企業名プレートには、上記制度の登録者について「仕事と家庭の両立支援広島県登録マーク」の印を表示しており、参加した学生が男女に関係なく関心を持ち、意識的にマークのついた会社を回る姿も見られました。

【解説】両立支援は企業の負担?効率的で質の高い仕事へ

社員の能力引き出す両立支援

 両立支援の取り組みは、「新たな企業負担増ではないか」との声が出されることがあります。中小企業家同友会では社員をパートナーとして労働環境改善などにも積極的に取り組み、その力を引き出すことが経営者の責任であり、そのことにより社員の会社への信頼が高まり、能力を発揮することになるとしています。

 これは戦後の激しい労働争議の教訓から1975年に、会員経営者の経験や英知を集めてつくられた「労使見解」(中小企業における労使関係の見解)が、体系的に示しています。

 中同協女性部連絡会では、今年3月に「少子化に対応し仕事と家庭が両立できる企業づくりへ」と題して、内閣府男女共同参画局調査課長を講師に、学ぶ場を設定。また、男女共同参画推進連携会議委員に糸数久美子・中同協女性部連絡会代表を登録しました。

子育てしながら働ける社会へ

 内閣府の調査では、男女を問わず「女性は子どもができても働き続けた方がよい」とする割合が最も高くなっています。また、既婚男性では、生活の中で「仕事優先」を希望する人の割合は約2%で、仕事と家事などの両立を希望する人が32%いるにもかかわらず、現実には5割以上の人が「仕事優先」となっています。

 内閣府では少子化への対応のためには、「特に長時間労働の是正や非正規問題への対応を含めた『働き方の見直し』や地域における『社会的な子育て支援体制の構築』が大きな課題」(2006年12月「両立支援・仕事と生活の調和推進が企業等に与える影響に関する報告書」)としています。

企業にとってのメリット

 厚生労働省は「男性も育児参加できるワーク・ライフ・バランス企業へ」調査報告書(2006年)で、企業にとってのメリットとして、(1)優秀な人材確保・定着、(2)従業員の意欲の向上、生産性の向上、(3)仕事の内容や進め方の見直し、効率化をあげています。

 同省のヒアリングでは「部下の男性が短時間勤務にして育児のための時間をとって一番良かったことは、限られた時間で質の高い仕事をし、生産性が上がったことです」など、積極的な声が多くなっています。また、鋤柄中同協会長も第12回女性経営者全国交流会の問題提起で「当社の女性幹部は、子どもを抱えて定時退社しているが、非常に効率よく仕事を回している。最近の女性は家庭も仕事も意欲的に取り組んでいて頼もしい」と話しています。

 「よい会社づくり」に向けて、同友会や中小企業での仕事と生活の調和がとれた働き方の推進に期待が高まります。

中同協事務局次長 平田美穂

【用語解説】

ワークライフバランス

 「仕事と生活の調和」と訳されています。

 これはCSR(企業の社会的責任)的な考え方ではなく、経営上の戦略として取り組まれた制度で、従業員が仕事と生活のバランスを保ち、より充実した社会生活を送れるよう支援するための制度の策定・運用を積極的に行うことで、生産性の向上や優秀な人材の確保につながり、経営的なメリットが大きい、というものです。

仕事と家庭の両立支援企業登録制度(広島県)など

 2003年に成立・公布された国の「次世代育成支援対策推進法」に基づき、「次世代育成支援対策」を進めるため、2005年4月以降はすべての一般事業主に「一般事業主行動計画」(以下、行動計画)の策定が義務化されました(今年6月現在、全国一万8925社が登録)。

 行動計画を策定し、「仕事と家庭の両立」に向けて取り組むことを宣言した企業を、広島県が登録する制度で、登録企業には、登録証を交付するとともに、ホームページなどで、企業の取り組み内容を県内外に広く紹介しています。

 一方、厚生労働省では行動計画に基づき策定した目標を達成し、計画期間内に所定の事項を満たした事業主を認定。認定マークを広告や商品など宣伝に活用できるようにしています。

 また、子育て支援を行う中小企業に対する支援充実のため、各種助成制度を設けています。(最寄りの労働局にお問い合わせください)

「中小企業家しんぶん」 2007年 10月 15日号より

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