「本業に役立つ同友会」の意識高めたい 山形支部(山形) 山形支部長 川合 勝芳氏((株)曙印刷社長)

―まず山形市の特徴を。

川合 伝統の鋳物の技術を生かした自動車部品の製造などがありますが、やはり農業の占める割合が大きいです。全国の皆さんに知られているのは、蔵王の樹氷、スキー場、温泉でしょうか。河原など野外で行う芋煮会は秋の風物で、会社、家族、学校などいろいろな単位で開かれます。

―入会のきっかけは。

川合 商工会議所の青年部に所属して、地域活動をしているころ同友会に誘われ、入会しました。同友会のほうは部長に出てもらおうと思ったんですが、あまり出席はせず、青年部卒業を契機に私が出るようになりました。(インタビューに同席した伊藤山形同友会事務局長が、「川合さんは、総会議案を見せてほしいと事務所を訪ねてこられたり、同友会の資料はすべて丁寧にファイリングするなど、当初から熱心でしたね」と紹介)。

―同友会で学ばれたことは。

川合 人の話を素直に聞く耳を持つようになったことです。私が聞く耳を持たない限り、社内では悪い話は私の耳に入ってきません。姿勢を改めたことで、社員とのコミュニケーションが深まるようになりました。

 同友会で学んだことは、どんどん会社へ取り入れるようにしてきましたが、機械的に押し付けたことはすべてダメでした。どこの会社にもあてはまるような特効薬はなく、改革には時間がかかるということにも気がつきました。

―山形支部の活動の特徴を。

川合 支部には3つの塾があります。例会の準備・運営や声かけを行う「例会塾」、会員増強を担う「仲間づくり塾」、毎月会員企業2~3社を10人前後で訪問する「企業訪問塾」の3つです。

 企業規模の小さい会員が多く、プレーイングマネージャー的な経営者が多いためか、同友会は本業に役に立つんだという意識が薄いように感じていますので、この改善は私たち役員の責任だと思います。

―今後の抱負は。

川合 一人ひとりの会員の皆さんの中における同友会の順位を上げていきたいです。同友会で学べば必ず経営上の課題が見えてきますから。地域の現状を考えると、人育てについての私たちの役割もますます大きくなってきていると思います。その点での勉強も強化したいですね。

▼山形支部の概要
設立 1987年
会員数 194名
役員数 26名
対象地域 山形市、上山市、天童市、山辺町、中山町(人口38万3571人、企業数5179社)

「中小企業家しんぶん」 2006年 11月 15日号より