忙しい時こそ同友会で学ぶ風土に 東大阪東支部(大阪)

東大阪東支部長  中西 啓文氏(チトセ工業(株))

―東大阪の特徴は。

中西 生駒山のふもとから河内平野に広がり、東は奈良県、西は大阪市に接しています。よく東京の大田区と並べられる日本有数の中小企業の密集地です。面積に対する工場の割合は全国一位、技術的にも高い企業が多い地域です。東大阪においてできないものはないといわれるほど業種が多く、企業間連携のメリットも大きいです。

―同友会入会のきっかけは。

中西 二十代の後半、2回ほど例会にゲスト参加したことがありましたが、自分の考えでまっしぐらに突き進んでいたので、入会には至りませんでした。その後も何回か出席はしていましたが、10年後、38歳の時に父が他界し、社長になるにあたって、真剣に勉強していた同友会のことを思い出し、自分から入会しました。

―同友会で学ばれたことは。

中西 いちばんの学びは経営理念ですね。先代社長が作った理念はありましたが、私の言葉で作ったものではないのでしっくりこなくて2年間悩みました。そんな時、同友会の1泊研修で経営理念について学び、初めて自分の思いを文章にすることができました。社長になってからしばらくの間は「うまくやっていけるだろうか」という不安感がありましたが、理念を確立してからそれはなくなりました。

―支部活動の特徴を。

中西 当支部は会員の平均年齢がかなり若く、後継者が多いです。土地柄、製造業も多いです。例会の準備の中での報告者との打ち合わせは大変重視しています。報告者が気づいていない課題を掘り起こすこと、逆にいい経営をしているのにその大切さに気づいていない場合もあります。テーブル長(グループ長)研修は年に3~4回行っています。毎会の例会時には、テーブル長の育成のためのテーブルを編成して、新米のテーブル長を集めます。ゲストが入るテーブルには、ベテランのテーブル長がつきます。東大阪市が毎年募集する「優良工場表彰制度」には、支部から必ず応募することが慣わしになっていて、同友会会員企業は必ず表彰を受けています。

―今後の抱負を。

中西 会員同士の仕事の中身などについての情報交流を活発にしたいですね。仕事のやりとりだけでなく、工場の管理などお互いに使えるやり方がたくさんあります。また、忙しいとつい例会から足が遠のいて学ぶ意欲が薄れがちになりますが、“忙しい時こそ時間をつくって同友会で学びましょう、それが経営者の責任”ということが、会の風土になるようにしたいです。

▼東大阪東支部の概要
設立 2003年4月
会員数 219名
役員数 65名
対象地域 東大阪市(人口51万1000人、企業数8000社)

「中小企業家しんぶん」 2007年 5月 15日号より