地場産業の活性化のために 今治支部(愛媛)

今治支部長  平野 啓三氏((株)平野社長)

―はじめに地域の特徴を。

平野 地場産業として、造船、海運、タオル、縫製、瓦などがあります。造船と海運は現在勢いがあり、人手不足です。広島県の尾道と今治(いまばり)を結ぶ、しまなみ海道が8年前開通しましたが、地元への経済効果という点では、大きな変化はありません。むしろ、商店街の“シャッター通り”化が進んでいます。30数年前の新都市計画に基づいて、大学、企業誘致の準備をしましたが、実現しませんでした。

―入会のきっかけは。

平野 大阪同友会の大西耕三郎さん(故人)の著書で同友会を知って、1989年に入会しました。対等平等に接してくれる同友会の空気は新鮮でした。

―同友会で学ばれたことは。

平野 やはり経営指針がいちばん大きかったですね。今は社員全員で作成し、全員で実践状況をチェックしています。“同友会に入っていたから現在の会社がある”ということは、社内のコンセンサスになっています。当社の経営指針発表会には、今治支部の幹事の大半が参加します。

―支部活動の特徴は。

平野 幹事の年齢が若く、会歴も浅いので、同友会運動に確信が持てるよう気をつけてきました。昨年開催した6講座からなる経営基礎講座は、好評でした。今は例会の充実に力を入れています。幹事は全員、例会で経営体験を発表しました。例会後の懇親会も座長を置いて、さらに討論を深めるようにしています。

―今後の課題、抱負を。

平野 熱心に参加する会員とそうではない会員が固定化してきているので、改善をはかりたいですね。それと会員増強です。例会にゲストが参加すれば、ほぼ間違いなく入会してもらえるのですが、若い会員が多いため、知り合いの経営者が少なく、ゲスト数が少ないのが悩みです。地場産業の中に会員を増やし、地場産業の活性化のために同友会が力を発揮できるようになることが夢です。

▼今治支部の概要
設立 2005年9月
会員数 32名
役員数 8名
対象地域 今治市、西条市(人口17万5000人、企業数2600社)

「中小企業家しんぶん」 2007年 7月 15日号より