十勝の開拓者魂に想いはせ【北海道・帯広】

上士幌・士幌のんびり過ごすホルスタイン

 今年は、2月に全国研究集会が熊本で、6月には青森で女性経営者全国交流会、7月には中同協設立40周年記念の全国総会が東京で、そして9月には北海道・帯広で青年経営者全国交流会が開かれます。青森、東京、帯広から、新春の便りを紹介します。

 今では観光地としても人気の北海道ですが、その開拓の歴史は平坦なものではありませんでした。多くが明治政府の官主導で開拓が進められる中、十勝は民間の手で拓かれました。静岡県松崎町出身の依田勉3が明治15年に晩成社を組織し、翌年13戸27名が入植したのが始まりです。

 作物を食い荒らすネズミ、イナゴなどの動物や、マイナス25度にもなる厳しい自然との闘い。冷害などに悩まされ、食料生産も満足にできない中で、「開墾の始めは豚と1つ鍋」の言葉は、開拓者の心構えも表しています。森林を伐採し、大きな切り株を掘り起こした畑に、作物の最初の芽が出たときは大変な喜びだったことでしょう。

 残念ながら晩成社は昭和7年(1932年)に解散となりますが、彼らが手がけた酪農、畜産、畑作の1次産業、食肉、バター工場などの2次産業は十勝の基幹となって受け継がれ、現在、日本の食糧基地としての役割を果たすようになりました。

 今年9月10~11日に帯広で開かれる青年経営者全国交流会では、「北海道の開拓者の想(おも)い」を感じながら学び合っていきたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2009年 1月 5日号より