ものづくりは喜んで頂ける笑顔こそ【障害者問題全国交流会(沖縄)より】

チェアボート

 6月に沖縄で開かれた第15回障害者問題全国交流会の分科会で、沖縄同友会会員による日本初の水陸両用車いす「チェアボート」((株)大名・島袋宗一社長)と、膝関節装具「CBブレース」((株)佐喜眞義肢・佐喜眞保社長)が紹介されました。

 いずれも、「ものづくりを通して、高齢者・障害者の豊かな人生に貢献したい」と開発したもの。開発後、必ずしも順風満帆というわけではありませんでしたが、「喜んで頂ける笑顔こそ、最高の喜び」と語るお2人の報告者の顔も、喜びに満ちていました。

 水陸両用車いす「チェアボート」は、車いすのまま海の中にしっかりつかりながら、自在に動き回ることができるもので、車いすの人にも海で遊ぶ楽しさを味わってもらいたいと考案されました。きっかけは、ある大学の先生からの打診でした。いつか、水陸両用の自動車を作りたいと思い続けていた島袋さんにとっては、願ってもない話でした。島袋さんは、この開発で文部科学大臣賞を受賞しています。

CBブース

 膝関節装具「CBブレース」は、変形性関節症などで歩けなくなった人が、この装具をつけることで歩けるようになり、さらに歩くことで筋肉が鍛えられ、やがては装具をつけなくても歩けるようになることをめざす、というもの。「奇跡を起こす」と涙を流して喜ばれ、マスコミでもずいぶん紹介されました。徳島からは、この装具を着けて沖縄観光を楽しもうと、ツアー客もやってきました。これからは医療関係だけでなく、さまざまな分野との連携で、新たな仕事づくりにもつなげていきたいと話す佐喜眞さんでした。

(株)大名
http://www.oonatk.com/
(株)佐喜眞義肢
http://www.cb-sakima.jp/

「中小企業家しんぶん」 2010年 7月 25日号より